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高校生らが政治ゲームを企画 政治を知るきっかけに (2013/12/27 政治山)

boku1_5 「政治意識をシゲキする。」を理念に掲げ、若者の政治関心の向上に取り組む学生団体「僕らの一歩が日本を変える。」が14日から2日間、高校生によるゲーム開発合宿「boku1(ボクイチ)インターン」を実施した。静岡県の御殿場にある山荘を借りきり、政治に興味を持つ高校生、大学生が力を合わせて、政治に関心の薄い層が政治のことを知るきっかけとなるゲームを完成させようというもの。

 高校生の男女15人が4チームに分かれて大学生の運営スタッフとともに熱心に議論を重ね、各チームのアイデアを合宿の最後に発表した(発表内容は動画をご覧ください >>動画へ)。

10代の政治意識の向上と、10代を刺激する

 「僕らの一歩が日本を変える。」の代表である青木大和さんは、留学先のアメリカで先進的な政治教育を目の当たりにすると同時に、日本の政治関心の低さに危機感を抱く。日本の同年代の若者の政治関心を高め、自分たちが自国の未来を担い、発信し続けることで変革を起こそうと決意した。同年代を巻き込み、まずは皆が政治に興味を持つ機会の必要性を強く感じて、今までに無かったような壮大なイベント「高校生100人×国会議員vol.1」を企画する。「僕らの一歩が日本を変える。」は、このイベントを開催することをきっかけに2012年4月、青木さんを中心とする現役高校生6人により設立された。

 現在は、首都圏の高校生6人、大学生7人の選挙権を持たない10代のメンバーで運営している。プロジェクトベースで事業を展開し、プロジェクトリーダーとそのチームメンバーが中心となってその事業を運営する。人数は少数精鋭で進行しており、多くのプロジェクトに携わることのできる個性ある人材を輩出していくことも狙っているという。事業の進捗は、月2回行われるミーティングの場でメンバー全員に報告したり、週に1度オンライン上で共有して透明性を高めている。

シゲキを与える取り組み

 「僕らの一歩が日本を変える。」の主な活動は3つ。

(1)高校生100人×国会議員

高校生100人×国会議員 vol.3

高校生100人×国会議員 vol.3

 「僕らの一歩が日本を変える。」の活動目標である「10代の政治参加の拡大」「10代の政治関心の向上」「全国から高校生同士の交流」の3大目標を達成するためにイベントを開催している。普段接点のない高校生と有識者や国会議員が討論することにより、参加した高校生の政治への関心やさまざまな人との繋がりを作るとともに、高校生の持つ意見を全国に発信して、全国の高校生や有権者の政治に対する意識を変えていこうというもの。

 全国の高校生から参加者を募り、地方在住の高校生に対しては「全国割」という制度を設け、交通費の片道分を支給。「僕らの一歩が日本を変える。」の高校生会員が本事業のすべてを運営し、議員への参加交渉や各方面への協賛依頼もすべて高校生が行っている。

(2)全国行脚・模擬選挙

 全国行脚は、文字通り全国の街頭で「あなたがもし総理大臣になったら?」を若者に向けて投げかけるインタビュー企画。多くの若者の意見を社会に発信する事がねらい。

 また、選挙権を持たない10代の若者たちに、選挙の意義や目的、制度について理解してもらうとともに、候補者や政党、日本社会を見つめる機会を持ってもらおうと、2013年7月に行われた参院選の期間中に模擬投票を行った。10代にとって投票をより身近なものにするため、iPadを使用してワンタッチで投票できる仕組みを作り、「Yahoo!みんなの政治」「模擬選挙推進ネットワーク」「Teens Opinion」とともに東京、横浜、宮城、名古屋、大阪、福岡の全国7カ所の街頭で実施、4,500票を集めた。

(3)boku1house(ボクイチハウス)

 「もっと気軽に話したい。まだまだ足りない」という国会議員とのディスカッションイベント参加者の声にこたえ、時間や場所、議題に縛られることなく、好きな場所で好きなことを話し合える場づくりを展開、現在は東京だけでなく、函館、長万部、仙台、広島、ニュージーランドと活動の幅を広げている。

山荘を借り切って「高校生によるゲーム開発合宿」

 「高校生100人×国会議員」のようなディスカッションイベントには政治に興味のある学生は集まるが、10代のほとんどは政治に関心を持たず、「議論、討論」と聞くだけで腰が引けてしまう学生が多い。そこで、「僕らの一歩が日本を変える。」のメンバーたちは、政治に関心の無い層に対して、ゲームを介して政治のことを知るきっかけを作れないかと考え、政治に興味のある学生らと力を合わせてゲーム開発をするため、山荘での合宿を実行するに至る。

boku1_4 今回の合宿「boku1インターン」には東京、神奈川、大阪から高校生15人が参加、もともと「僕らの一歩が日本を変える。」の活動に興味があったり、ゲーム×政治という発想に関心を持ったり、同年代との人脈を広げたいというような理由で参加したという。

 3、4人でチームをつくり、ワークショップ形式でゲームを作り上げていった。目的に沿ってターゲットやねらいを定め、高校生の柔らかい発想で次々と出てくるアイデアを形にする。ディスカッションを繰り返して仕上がった企画をスケッチブックに書き起こして、最後は発表。記録用のビデオカメラの前に立ち、各々の企画を発表する姿は、照れを隠せずにいる者からパフォーマンス付きのチームまでさまざまだ。

 参加した感想をたずねると、将来は音楽などで多文化交流をしたいという高校2年生の女子は、「みんなで何か1つのものを作り上げるのがすごく楽しく、今までの中で一番達成感を感じたかもしれない」と話した。一方、記者志望の高3年生の男子は、「他の人とディスカッションをしていくことで、熟した意見にしていくプロセスを得た」と語る。

boku1_1 「あの日、御殿場に集まった参加者たちは日本一素晴らしいチームであったと思います」と話すのは、運営スタッフの後藤寛勝さん。参加者15人で1つのチームだという意識を持ち、家族のように過ごして、夜中は熱い話をみんなが本音で語り合い、涙の場面もあったという。

 合宿終了時には4つのゲームが完成し、今後はこれらを企業に売り込んで商品化に持ち込むことまで視野に入れている。「僕らの一歩が日本を変える。」は、今後も「政治×○○」という新しい側面から政治に対してアプローチして若者の心をシゲキし続ける。

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各チームの企画発表

チーム1

チーム2

チーム3

チーム4

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「僕らの一歩が日本を変える。」では、2014年3月27日に4回目となる「高校生100人×国会議員vol.4」を開催します。
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