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参議院議員選挙

各党が都内で論戦 「参院選公開討論会」開催 (2013/7/1 政治山)

参議院議員選挙の公示(4日)を前に「参議院議員通常選挙 党代表者公開討論会」が6月30日、東京・港区のニコファーレで行われた。ジャーナリストの津田大介氏がコーディネーターとなり、政党の代表者および東京選挙区の立候補予定者が登場。日本のコンテンツ戦略や社会保障、憲法改正など参院選に関する主要争点・政策について活発な議論が行われた。この討論会は、現在の日本を取り巻く問題、20年後・30年後の将来を語り日本の再建について考えることを目的に公益社団法人・東京青年会議所が主催した。

党代表者討論会は社会保障や憲法改正などで論戦

党代表者討論会の模様。左から、日本維新の会・山田宏氏、共産党・小池晃氏、民主党・長妻昭氏、みんなの党・柿沢未途氏、公明党・上田勇氏、自民党・片山さつき氏

党代表者討論会の模様。左から、日本維新の会・山田宏氏、共産党・小池晃氏、民主党・長妻昭氏、みんなの党・柿沢未途氏、公明党・上田勇氏、自民党・片山さつき氏

 前半の党代表者討論会に登壇したのは、自民党の片山さつき総務大臣政務官、民主党の長妻昭党幹事長代行、公明党の上田勇党政務調査会会長代理、みんなの党の柿沢未途党政調会長代理、共産党の小池晃党政策委員長、日本維新の会の山田宏東京都総支部代表の6名。

 片山氏は、日本のコンテンツを海外に売り込む「クールジャパン戦略」について、政権与党として取り組むとし、「日本は欧米に比べて情報発信が弱い。ネットを積極活用して、海外の若者に対して発信し、親近感を持ってもらう」と述べた。それに対し山田氏は、「『クール』とは誰が決めるのか。政府はPRのインフラ整備だけをするべきだ」と批判し、柿沢氏も「官僚が業界を育成するという発想を捨てるべきだ」と述べた。

 社会保障について小池氏は、「優先すべきは制度の信頼性を高めること。給付を減らし、負担を増やす帳尻合わせではなく、消費増税と大企業減税をやめて財源を確保すればいい」とした。また、片山氏が「医療不安」に言及したのに対し、長妻氏は「自民党が診療報酬を減らした結果、医療崩壊が起きた。民主党政権では診療報酬増額で崩壊を食い止めた」と反論。これに対し、上田氏は「誰でも社会保障は増やしてほしいと言う。そういう議論ではなく、持続性可能性を問い、医療や高齢者対策、介護の面で安心を作ることが求められている」と述べた。柿沢氏は、「消費税増税の前に、新しく『歳入庁』を設置し税や保険料の徴収業務の効率化を図るべきだ」と語った。

 憲法改正について、共産の小池氏以外は改正に賛成。96条の先行改正については、賛成の立場に立ったのは自民・維新で、共産・民主は反対。山田氏は「憲法改正の発議要件を各議院の過半数に緩和し、国民投票で国民が判断すべき」とした。みんなの党の柿沢氏は、96条の改正について「そういう考え方もある」とし、公明党の上田氏は、96条改正も過半数も2/3以上も不適切だとし、改正する条文によって分けるべきだと語った。

東京選挙区立候補予定者6氏による討論も熱い戦い

後半に行われた参院選東京選挙区立候補予定者による討論会。自民・武見敬三氏、公明・山口那津男氏、民主党・大河原雅子氏、民主党・鈴木寛氏、共産党・吉良よし子氏、日本維新の会・小倉淳氏

後半に行われた参院選東京選挙区立候補予定者による討論会。自民・武見敬三氏、公明・山口那津男氏、民主党・大河原雅子氏、民主党・鈴木寛氏、共産党・吉良よし子氏、日本維新の会・小倉淳氏

 後半は、参院選東京選挙区の立候補予定者5党6名による公開討論会が実施され、年金や医療、参議院の役割などについて意見が述べられた。

 共産党・新人の吉良よし子は、自身が「就職氷河期」を体験したことを引き合いに、若者の雇用安定や環境改善を訴えた。日本維新の会・新人の小倉淳氏は、「政治を変えようと思って維新で立候補を決意した。年金は、自分で納めた分を受け取れる積み立て方式に変えるべきだ」と述べた。

 国会最終日に問責決議が提出され、重要法案が廃案になったことについて、民主党・現職の鈴木寛氏は、「政局が嫌いなので参議院にいると言ってもいい。マスコミで報じられないが、多くの法案では与野党が協力していることは知ってほしい」と述べた。それに対し、自民党・現職の武見敬三氏は「良識の府である参議院が、政局主導となっている。ねじれを解消し、安定した政権運営がなされるべきだ」とした。

 また、公明党・現職の山口那津男氏は、「衆院小選挙区の選挙制度改革案について、参院として意見が出せなかった。参院の存在意義が問われている」とし、政策を進めるための政権安定の必要性を強調した。民主党・現職の大河原雅子氏は、「ねじれ解消が解決になるわけではない。民主が掲げた人への投資の成果が出るには、少し時間がかかる。もう一度、信頼してほしい」と述べた。

 2012年の衆院選比例区で1%以上を得票した政党の東京選挙区候補者に参加を呼び掛けたもの。同選挙区で立候補を表明している自民党の丸川珠代氏とみんなの党の桐島ローランド氏は欠席した。

(政治山)