[埼玉県]価格転嫁の必要性が見える「収支計画シミュレーター」の提供を開始 (2024/3/13 株式会社ぎょうせい)
埼玉県(738万5800人)は、価格転嫁の有無が今後の企業収益に与える影響をシミュレーションできる「収支計画シミュレーター」を作成し、無料で提供を開始した。
同県では、エネルギー・原材料価格の高騰が長期化するなか、県内企業が適正に利益を確保し、賃上げの正のスパイラルにつなげていけるよう価格転嫁の円滑化に向けて取り組んでいるが、今回その一環として、適切な価格転嫁をしない場合、今後の収益にどの程度影響を与えるのかを理解し経営に生かすことができるよう、物価高騰に見合った適切な価格転嫁の程度を分析するツールを公開。同ツールの作成にあたっては、埼玉りそな産業経済振興財団と埼玉県中小企業診断協会が協力した。
同ツールは、経営者自ら操作・分析ができるよう、一般的な表計算ソフトが用いられている。さまざまな業種に対応しており、価格転嫁をした(できた)場合と価格転嫁をしなかった(できなかった)場合それぞれの今後の5年間の売上高・経常利益推移がグラフで示されるなど、「どれくらい価格転嫁すればよいか」を視覚的に把握できる。
実際の利用に際しては、入力方法を県の相談窓口でサポートする。県は、「価格交渉に役立つ伴走型支援」(中小企業診断士が支援を希望する企業を訪問し、価格交渉の課題の洗い出しなどで支援する仕組み。価格交渉に必要なノウハウの提供等も実施)と同ツールを併用することで、さらに効果が上がるとしている。
県では、「収支計画シミュレーター」と併せて「価格交渉支援ツール」も無料で提供している。「価格交渉支援ツール」は、主要な原材料価格(1420品目)の推移を示す資料を簡易に作成することができ、日本銀行の公表データに基づいているため正確性も担保される。
両ツールは県のWEBサイトからダウンロードできる。
(月刊「ガバナンス」2023年12月号・DATA BANK2023)
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