[三重県]「ひきこもり支援推進計画」を策定 (2022/6/15 株式会社ぎょうせい)
三重県(180万800人)は、ひきこもり支援に特化した「ひきこもり支援推進計画」を策定した。ひきこもりの問題が複雑化・複合化、長期・高年齢化し、また新型コロナウイルス感染症の影響で深刻な課題に発展する可能性が高まっている一方、県内市町ではひきこもり支援の推進基盤が整いつつある。そのような中、ひきこもり支援を総合的に推進し、誰もが自分らしい生き方を選択できる社会の再構築(リ・デザイン)につなげていくのが計画策定の趣旨。
支援対象者は、おおむね15歳以上(中学校卒業後)のひきこもり状態にある方およびその家族で、支援を必要とする人(支援が必要になると予想される人)。計画期間は22年度~24年度の3年間。
計画では、ひきこもり支援に関わる課題として、(1)相談支援の充実・強化等、(2)相談支援から社会参加等への段階的・継続的支援、(3)社会資源の活用と整備、包括的な支援体制づくり、(4)ひきこもりに関する理解促進、(5)多様な担い手の育成・確保、(6)ひきこもり状態を長期化させないための対応、(7)新型コロナウイルス感染症への対応──について記述。将来のめざす社会像をイメージした上で、3年後の目標を掲げている。
そして、施策展開にあたって重視すべき視点として、(1)課題解決型支援と伴走型支援、(2)アウトリーチ(訪問型)支援、(3)ひきこもり状態を長期化させない、(4)DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、(5)専門的支援と側面支援──を打ち出し、6つの取組方向(情報発信・普及啓発、対象者の状況把握・早期対応、家族支援、当事者支援、社会参加・活躍支援、多様な担い手の育成・確保)を明記している。
ひきこもり支援に特化した計画は全国初で、県は市町や関係機関等と連携し、切れ目のない包括的な支援体制を構築して「誰一人取り残さない」地域共生社会をめざしていく。
(月刊「ガバナンス」2022年5月号・DATA BANK2022)
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