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シンガポールとタイの中央銀行、フィンテックでの協力に合意  株式会社フィスコ 2017年7月19日

タイ中央銀行BOTとシンガポール通貨金融当局MASは、ASEAN域内の既存の金融システムをさらに発展し強化するため、フィンテック協力協定FinTechCooperationAgreementCAに合意した。

タイとシンガポールの中央銀行と金融監督当局は、シンガポール中央銀行が主催する2年に一度のBOT-MAS会議の際、フィンテック協定を揺るがした。

この協定は、両国と東南アジアで「より豊かな金融システムを構築する」ことを目的としたものである。合意によれば、両中央銀行は、マイクロファイナンスとデジタル化の時代における従来の規制方法への影響や、新興市場の動向に関する情報も共有する。

タイ中央銀行のVerrathaiSantiprabhob総裁は次のように述べる「ボラティリティ、複雑さ、技術革新を特徴とする現在の時代において、我々の協力を強化することは、地域の財政の安定と持続的な成長を促進する上で重要な役割を果たすと信じている。」

中央銀行の関係者はまた、同地域の非銀行利用者層に対する財政提供の可能性を強調した。

フィンテック協定では、両国の規制当局が両国のフィンテック企業を取り締まる。又、両国は共同革新プロジェクトを立ち上げる予定で、特に「国境を越えて適合する可能性のあるプロジェクト」を発足する予定である。

両国の中央銀行はまた、BOT-MAS会議で銀行監督に関する既存の覚書(MoU)を更新した。更新されたMoUは、ライセンス供与、危機管理などの分野におけるより良い情報交換と協力を義務付ける予定である。

シンガポールの伝統的なプロテクノロジー(Pro-technlogy)アジェンダは、島国のシンガポールが世界的なフィンテックの拠点となることを促進している。このアジェンダは、すでに独自のデジタル通貨を使用し、ブロックチェーンを搭載した銀行間決済プラットフォームを既にテストし、シンガポール通貨金融当局によって管理されている。2017年3月に成功を収めた初期のパイロットの後、シンガポール中央銀行はイーサリアムブロックチェーンを使ってシンガポールドルをデジタル化する詳細を明らかにした。

タイとの新しいフィンテック協定を結んだ後、シンガポール通貨金融当局のマネージングディレクター、RaviMenon氏は次のように述べた。

「フィンテック協力協定とMOUは補完的なもので、又、リスクはあるが、国境を越えた金融サービスの新たなチャンスを得るため、共同コミットメントを反映している。」(出典:CryptoCoinsNews)

■エムトレの視点
小国ながら、世界有数の金融センター国へと変貌を遂げたシンガポールと近年目覚ましい発展を遂げているタイ王国のフィンテック合意は注目だ。両国を含む東アジア諸国では銀行口座を持たない人は多い。一方、小口融資や小口向けの金融サービスであるマイクロファイナンスは、貧困を脱出させるための手段として広く認知され、需要が多い。マイクロファイナンスを充実させるためにはコストの削減やサービスへのアクセスの容易さは非常に重要であり、両国のFintech合意でこれらの問題を解決し、両国を含めた近隣諸国の経済成長へ繋がることを期待したい。シンガポール中央銀行のシンガポールドルのデジタル化の検討は、遅かれ早かれ多くの国で検討されることになるだろう。現在の先進国も小国から学ぶことは多い。

【ニュース提供・エムトレ】

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