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パスポートでぼろ儲け 国籍ビジネスに励む国家  株式会社フィスコ 2017年6月28日

 世界中にグローバル化の波が押し寄せた結果、国籍やパスポートも商品に様変わりした。富裕層がより有用性の高い旅券を求めて購入するほか、犯罪者やテロリストに悪用されているとの懸念もある。

 地中海に浮かぶ島国のマルタ共和国。ここで100万ドル(約1億1,200万円)の投資を行えばEUのパスポートが1冊手に入り、ビザなしでどこへでも行けるようになる。「商品」としての旅券を手に入れるにあたって、最も人気のある国の一つだ。

 米CBS放送が報じたところによると、国籍ビジネスは20億ドル(約2,235億円)の経済規模を持つ産業に成長している。他国の国籍やパスポートを求める理由としては、生活環境を変える、身分を変える、国際指名手配から逃れるといったケースが考えられるという。

 カリブ海に浮かぶ国々の中でも、特にドミニカ共和国のパスポートは値段が「安い」と言われている。ドミニカ共和国国会議員のレノックス・リントン氏はCBSの取材に対し、ドミニカのパスポートはわずか10万ドル(約1,100万円)で手に入ると語っている。入手に際しては、ドミニカに居住する必要がないどころか、現地に赴く必要すらない。申請と支払いを済ませるだけでよい。

 国籍ビジネスは莫大な収入となり、政府職員、弁護士、銀行家や不動産開発業者などが、それに伴いぼろもうけをしている。同時に、こうしたビジネスは悪人を引き寄せることにもなるため、彼らの顧客の中には逃亡中の犯罪者や脱税者も含まれる。

国情で他国へ渡れない富裕層に人気 国籍ビジネス

 一部の富裕層は政治的な問題を抱える国の市民であり、元の国籍のままでは渡航できない国が多く、より有用性の高いパスポートを求めている。投資移民や帰化手続きの関連事業を行うコンサル会社ヘンリー・アンド・パートナーズ代表クリス・カリン氏は、国籍ビジネスは完全に富裕層向けであると認めている。

 カリブ海の島国セントクリストファーネイビスも、パスポートは20万ドル(約2,800万円)の現金か、40万ドル(約4,500万円)の不動産投資で購入できる。この国のパスポートを所有していれば、ビザなしで100カ国以上に入国できるため、犯罪者に身分を隠匿する機会も提供している。

 3年前、イラン人3人がテヘラン銀行で資金洗浄を行うためにセントクリストファーネイビスのパスポートを使用していたことが発覚し、米国の経済制裁に違反したとして逮捕された。この時、セントクリストファーネイビスは仕方なくパスポート5000冊を回収した。これ以後、同国はこの問題に対処すべく一部改革を行ったものの、国籍ビジネスは依然として存在している。

 2014年ごろまで、米移民税関捜査局のシニア法律顧問を務めていたピーター・ビンセント氏は、米国土安全保障省はパスポートの売買について「犯罪者やテロリスト等に悪用される恐れがある」として、安全上の脅威となっていると言及している。

 また、テロ防止のため、国際社会には非常に効果的な地球規模のセキュリティ・アーキテクチャが構築されるなか、パスポート売買によりこれに大きな抜け穴が生じる結果となっているとも語っている。

 それにもかかわらず、カリブ海諸国で国籍ビジネスが止む兆しは見られない。ドミニカ、グレナダ、セントルシア、アンティグアは、今ではセントクリストファーネイビスの商売敵だ。どの国も現金を至急入手したいと焦っている。アンティグアの移民計画は、米国務院に言わせると「世界一甘い」そうだ。

 CBS放送が1月にカリブ海諸国の国籍販売ビジネスに関する報道を行ったところ、これらの国々から大きな反響があった。ドミニカでは国民による大規模な抗議活動が起こり、ルーズベルト・スカーリット首相の辞任も要求された。同大統領は、外交旅券の売買を行っていた。セントクリストファーネイビスでは、抗議活動を受け政府が1万5000冊ものパスポートを廃棄したが、そのうち91冊が外交旅券だった。

(翻訳編集・島津彰浩)

【ニュース提供・大紀元】

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