【中国】メタンハイドレート開発加速へ、商業化には15~20年必要 株式会社フィスコ 2017年6月11日
「100年以上の消費需要を満たす有望なエネルギー源」として、中国政府がメタンハイドレートに期待を寄せている。中国当局は5月18日、海底メタンハイドレートの連続試掘に世界で初めて成功したと発表。生産に向けた動きを加速する方針を打ち出した。ただ、商業生産に向けたハードルは低くない。技術やコストの面で、まず解決すべき課題があるためという。経済参考報などが5日付で伝えた。
中国のメタンハイドレート研究・調査は急ピッチな成長を達成。先進諸国より遅く1998年に着手にたにもかかわらず、すでに世界の先端レベルに追い付いたという。米国やカナダ、日本の水準を超えたと主張している。
中国資質調査局は、メタンハイドレートの「クリーンエネルギー」としての側面も重視し、汚染排出が相対的に少ない有望エネルギーになると紹介。1立方米当たり164立方米の天然ガスが得られると補足した。
中国は2030年までの商業開発・生産を目指すスタンス。国土資源部の中国地質調査局によると、南シナ海北部の海域「神狐」で調査試掘を展開し、水深1266メートルの深海で可燃ガス生産に成功した。1日当たり最大で3万5000立方メートルを生産したとされる。
中国のメタンハイドレート資源量は、原油換算で800億トン超。化石燃料の2倍の規模に相当する。世界のメタンハイドレート資源のうち、97%は海底に埋蔵。そのうち90%は、「神狐」のような砂の層に蓄えられている。
一方、具体的な商業開発には、乗り越えなければならない障害も多い。分布エリアが広範なことに加え、海底地層の砂を同時に吸引してしまうためだ。パイプがすぐに詰まってしまうという難題を解決するためには、新たな技術を開発する必要がある。
【亜州IR】
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