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中国:核燃料サイクル建設に反対、江蘇省連雲港で市民1000人デモ  株式会社フィスコ 2016年8月8日

関連ワード : 中国 原発 

江蘇省北部の連雲港市で、原子力発電所の使用済み燃料を処理する核燃料サイクル工場建設に対する反対運動が起きている。6日から7日早朝にかけ住民約1000人がデモ活動を展開したという。香港星島日報や米公共放送ボイス・オブ・アメリカ中国語版が伝えた。

中国のネット上では、「1000億人民元(1兆5300億円)を投じ、使用済み燃料を処理する工場が連雲港に建設される」との情報が流れている。運転開始後の事故を懸念し、住民の間で不安が拡散。住民らは6日午後5時ごろから同市の主要街路で「核廃棄物に反対」などと叫んでデモを始めた。「人口密集地に核燃料処理工場をつくれば、子々孫々まで核の脅威にさらされる」と危ぐしている。

一方、同市政府は7日午後6時、記者会見し「工場建設は建設用地選定の段階で、最終決定していない」などと説明した。

核燃料サイクル工場は、中仏間で最大規模の合弁事業の1つ。両国政府が強く後押ししている。原発事業を行う中国核工業集団の子会社、中核瑞能科技が2015年から山東、福建、江蘇など10カ所で用地選定を進めてきた。

中国は核燃料処理に高い関心を抱いている。中国核工業集団(CNNC)と仏アレバは、中国に核燃料の再処理工場を共同で建設する計画だ。15年9月の発表によると、20年に着工し、30年ごろの完成を目指す。年間800トンの核燃料再処理を見込む。中国は核燃料再処理分野での商用化に大きく踏み出す。

総事業費は1000億人民元(約1兆8800億円)超を予定。フランス・コタンタン半島のラ・アーグ岬に位置する核燃料再処理工場「ラ・アーグ再処理工場」を手本に、アレバの技術協力を受けてCNNCが建設する。すでに建設地の選定に着手した。40年以上稼働中のラ・アーグ再処理工場は、年間の処理能力が1700万トン。原子炉80基相当の燃料処理が可能だ。

【亜州IR】
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