中国の期限切れ鶏肉問題、現地でも管理の甘さに批判の声 株式会社フィスコ 2014年7月31日
中国の期限切れ鶏肉問題について、現地でも大きな反響を呼んでいるようである。
問題を起こした上海福喜食品は、中国でもマクドナルトやケンタッキー・フライド・チキン、ピザハットなどに卸していたが、ネットではその管理の甘さに批判が集中している。
・職責を果たせない管理当局を訴えるべきだ!
・いつも暴露されてから多くの人を動員しているが、普段はチェックしていないのか?
・普段の検査時には事前通達、或いは情報を漏らす人間がいるのでは?
などの意見が多く寄せられているようである。
検査は抜き取り検査に加えて、会社が正規のルートで商品を購入しているかどうか、仕入れた商品が適格な商品であるかどうかなどがチェックされるが、普段行われる抜き取り検査は外観検査のみにとどまっており、特に告発などがない限り、食品に対する化学分析などは行われないという。
一方、企業にもチェック体制はある。購買側が購入した商品の原材料や加工品に対して抜き取り検査を行い、品質を確保するものだ。これに対してある輸出企業の品質管理担当者は、供給側は常に抜き取り検査に引っかからないような「対策」を講じており、企業としても頭を痛めているという。
また、これらの企業間では長年の信頼関係が築かれており、抜き取り検査後、一定の期間は検査が免除されるという。この期間中に不正行為を働いても発見され難い。検査も形式的なものとなってしまうようだ。
そのほか、彼らの違法行為に対する代価が安すぎると指摘する声もある。仮に企業生命に及び、責任者が刑事責任を負うとしたら、違法行為に及ぶ者は誰もいなくなるだろうと。当局の管理が完全に行き届かないのは理解もできるが、問題の発見された企業に対して重罰を科さないことは受け入れ難いと嘆く。
さらに、問題企業の商品に対して不買運動をすべきだとの声が上がる一方で、企業が悪いのではなく経営者層が悪いのだという冷静な意見もあるほか、中国は他国に学ばねばならないと喚起するなどの意見もあるようだ。
今回問題となった上海福喜食品は、米イリノイ州の食肉大手OSIの子会社で、系列工場が山東省や雲南省などにある。中国英字紙チャイナ・デイリーは、「外資の危険な行為が見逃されるべきではない」と外資たたきによる責任転嫁の一面ものぞかせているようだ。
日本企業についても、米国系の工場なら中国製でも品質に問題ないと考えていた面もあったとの見方も。
ただ、度重なる食品問題で中国の安全に対する認識の乏しさや低いモラルは想定されていること。それでも利益優先から中国からの食品輸入が止まることはないのが現状か。
(参考URL http://finance.ifeng.com/a/20140723/12780927_0.shtml)
<TM>
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