クロアチア議会選、「モスト」が連立交渉のカギ ネット選挙ドットコム 2015年11月13日
野党・クロアチア民主同盟が第1党に
クロアチアで8日、議会(定数151議席)選挙が行われた。中央選挙管理委員会によると、保守系の野党、クロアチア民主同盟が59議席を獲得し、第1党となった。与党で中道左派の社会民主党は56議席を獲得。どちらも過半数の76議席に達していないため、政権交代が実現するかは「モスト」などとの連立交渉に委ねられることになる。
「橋」を意味する新党「モスト」は、19議席を獲得し、第3党になり、連立交渉のカギを握る重要な位置を占めることとなった。「モスト」は8日夜、どちらの政党とも連立を組む意思はないことを示した。司法や公共部門の改革を求める「モスト」にとって、両党ともに改革する能力に欠けているとの考えだ。derStandard.atなど欧州メディアが9日、報じた。
「モスト」は精神科医でメトコヴィッチ市長のボーゾー・ペトロフ氏(36)が約3年前に設立。選挙では、首都ザグレブとその周辺地域および南部地方で多くの票を集めた。
難民政策が争点
今回の選挙は、2013年の欧州連合(EU)加盟後、初の議会選挙。ヨーロッパに押し寄せる難民や移民のバルカンルートとなっている同国は、その難民政策が争点となった。9月中旬以降、同国にはシリアやイラクなどから33万人以上の難民が押し寄せ、現在、国境を越えてセルビアに向かう難民の数は毎日約5000人にものぼる。
政権与党の社会民主党は、ドイツ政府の政策に同調し、ドイツなどを目指す難民たちの通過を認可してきた。一方で、クロアチア民主同盟は、国境管理の強化と国境での軍の投入を主張。
連立交渉の結果を次第で、重要なバルカンルートにおけるEUの難民政策の決定にも影響を及ぼす可能性があり、欧州のほかの国々も注目している。
(画像はニュースリリースより)
▼外部リンク
クロアチア大統領府 ニュースリリース
http://predsjednica.hr/objava/1/1/647
derStandard.at/Patt in Kroatien nach Parlamentswahl
http://derstandard.at/2000025309844/