日本は韓国と“断交”したいのか 韓国紙が激怒 河野談話の検証結果発表控えヒートアップ ニュースフィア 2014年6月19日
安倍内閣は今国会中(20日とみられる)に、いわゆる「河野談話」の検証結果を報告する予定だ。3月28日に、菅官房長官が、河野談話の作成過程を検証すると表明してから、約3ヶ月が経つ。
2月、談話作成に携わった石原信雄氏(当時は官房副長官)が、元慰安婦とされる女性の証言に関して“裏付け調査なし”と証言したことが発端だった。同氏は4月に、韓国側からの「要望」もあったと耳にした、とも述べている。
河野談話の検証結果発表を目前に、韓国の主要各紙は、日韓関係に大きな影響を与える、と揃って反発・けん制している。
【韓国“すり合わせ”を認めるも、日本の責任を強調】
韓国はこれまで、談話作成にあたって日本側との協議はなかったと主張していた。しかし、石原元官房副長官の証言後、趙世暎(チョ・セヨン)元韓国外務省東北アジア局長は、産経新聞のインタビューに対し、すり合わせがあったことを初めて認めた。ただし、日本側からの要請であったと述べている。
魯光鎰(ノ・グァンイル)外交部報道官も17日、あくまでも河野談話は、「日本の自主的な調査と判断を基礎に、日本の立場を入れて発表した文書」と述べ、「他国との調整や合意が必要な文書ではない」と強調している(中央日報)。
【日本は日韓外交を断絶させるつもりか】
韓国紙は、談話作成にあたっての日韓の対話を、日本側が勝手に解釈し、一方的に公開することについて怒りをあらわにしている。朝鮮日報は社説で、日韓外交について「事実上の断絶を宣言するようなもの」と厳しく批判。中央日報も、外交関係者の「事実上『もう韓国とは外交をしない』という意味」、という発言を報じている。
外交文書は原則30年以上経過後に公開、という「外交の基本ルール」を日本は破ることになる、とも批判している。
【韓国紙は反撃の構え】
韓国は河野談話の検証自体に反対している。もし日本が河野談話を毀損する検証結果を発表した場合には、「(韓国)政府は日本軍慰安婦被害者問題の歴史的真実と責任に対する国内外の権威ある立場と資料を積極的に提示するだろう」と中央日報は報じており、対抗する考えを明らかにした。
また、今回の発表は、日本が「信頼できない国家、人権問題で遅れた国家」だと宣伝することになり、欧米の批判は高まるだろう、とも論じられている(東亜日報の社説))。朝鮮日報は、「韓米日3カ国による安全保障体制まで崩壊」する可能性に言及し、その場合、責任は全て日本にあると強調した。歴史問題を口実に、安全保障面で日米への傾斜を防ぎ、中国へ配慮する韓国の姿勢が伺える。
【石原元官房副長官の“発言”日韓メディアの異なる報道】
日本のメディアによると、前述の石原氏は答弁で、慰安婦の募集は主として業者が行い、官憲や軍が関わった可能性は「否定できない」と当時の経緯を述べていた。これを東亜日報は、「日本軍が強制的に募集したことは確実だ」と石原氏が発言した、と伝えている。
また英字紙コリア・へラルドは、河野談話検証は地域の緊張を高める、と評している。件の記事には「review」という単語が使われている。日本は「歴史修正主義」だと国際社会に印象づける意図があるとみられる。日本政府はこの単語が歴史の修正を連想させるため、「reevaluation(再検討・再評価)」を使うという(日経新聞)。
韓国にとって河野談話は、村山談話とともに、「20年間にわたり韓日関係を支えてきた二つの大きな軸のうちの一つ」(朝鮮日報)、とされている。安倍政権は既に、河野談話を見直さないという答弁書を閣議決定しているが、今回の検証によって談話の価値を損なおうとしている、と韓国は懸念しているようだ。
先週、中国が慰安婦資料をユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請するなど、慰安婦問題がますます国際社会で注目される中、河野談話の検証結果に注目が集まっている。
「慰安婦」バッシングを越えて: 「河野談話」と日本の責任 [amazon]
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