【海外】シリア アサド大統領が6月の大統領選に出馬表明 反体制派「民主主義のパロディ」 ネット選挙ドットコム 2014年4月30日
シリアのアサド大統領が6月3日に行われる大統領選に出馬することを正式に表明し、立候補を届け出たことをシリア人民議会(国会)のラハム議長が発表した。
立候補の締め切りは5月1日までで、これまでのところ7人が立候補を届け出ているという。ドイツ国営放送局ARDターゲスシャウが28日、報じた。
(画像はイメージです) Image:by Beshroffline
これまでの大統領は、大統領候補1名、つまりアサド氏を国民投票で信任するという方法を採っていた。だが、2012年の憲法改正で与党バース党の1党による支配規定が削除され、今回はじめて複数候補による選挙となる。
しかし、3月に可決された新選挙法により、反体制派が立候補するのは不可能といえる。新選挙法によると、立候補者は少なくとも10年、継続的にシリアに住んでいること、シリア国籍であること、また、国会議員35人による支持が必要とある。
つまり、国外に拠点を置き活動する反体制派は、これらの条件を満たしていないこととなる。また、アサド氏以外の候補者はほとんど名前が知られておらず、勝利する可能性はないとみられている。
さらに、選挙は政府の監視下にある地域だけで実施されるという。これにより、ラッカやデイル・アル・ゾルなどの大都市が、選挙に参加できず、多くの国民が投票できないという状況だ。その上、有権者である多くの国民が国外へ逃れており、投票権を行使できる有権者がどのくらいいるのかも疑問視されている。
反政府派や野党らは、「民主主義のパロディ」だと批判。一方で、大統領府は、大統領候補の届け出に関し、「民主的で平和な雰囲気」だと称賛するコメントを発表している。
▼外部リンク
ドイツ国営放送局ARDターゲスシャウ:Assad tritt wieder an
http://www.tagesschau.de/ausland/102.html