【社会】ディズニー、ソーシャルゲーム事業で1/4をリストラ 数百億円規模の赤字を脱せるか? NewSphere(ニュースフィア) 2014年3月10日
アメリカの娯楽・メディア企業大手ウォルト・ディズニーは6日、苦戦を強いられているインタラクティブ・メディア部門の700人を削減すると発表した。これは同部門が世界で抱えている従業員の26%にあたり、大方の予想通りの大規模なリストラとなった。
ニューヨーク・タイムズ紙によれば、同部門はディズニー帝国全体からすれば、ほんの一角を占めるだけである。ディズニー全体の前四半期の利益が18億4000万ドルであるのに対し、同部門の利益は5500万ドルに過ぎなかった。一方、2008年以来、同部門が計上した赤字は13億ドルにのぼるという。ディズニーのラズロCFOは先月、今四半期の同部門の業績がおおよそ5400万ドルの赤字になるだろうとし、不満を述べたという。
ソーシャル・ネットワーク・ゲームの不振
インタラクティブ部門で不振が目立ったのはソーシャルゲーム事業だった。ディズニーはソーシャル・ネットワーク・ゲームメーカーの「プレイダム」を2010年に5億6300万ドルで買収したのだが、消費者のスマートフォンへの移行は予想以上に早く、プレイダムは不発に終わったのだ。この事業を率いてインタラクティブ部門の共同社長をつとめていたプレザンツ氏は、昨年11月に辞任している。
好調なモバイルゲーム
一方、昨年8月に投入した新ゲーム「インフィニティ」の販売は好調である。ゲームとキャラクター・グッズを組み合わせたインフィニティのスターター・パックは全世界で300万部以上売れたという。
日本向けのモバイルゲームも好調である。「LINE: ディズニー ツムツム」は、800万回以上ダウンロードされ、日本でもちょっとした社会現象になっているとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。
「今回の大規模な変革は収益性だけでなく、収益とスケーラビリティを持続することにフォーカスしたものだ」とインタラクティブ部門のピタロ社長は述べる。「業界はソーシャルゲームからモバイルゲームにシフトした。われわれもこれからはモバイル第一で行く」という同氏の言葉をブルームバーグは伝えている。
海外読者の反応
テレビゲーム系ニュースサイト『ゲームスポット』には、今回の報道に対して以下のようなコメントが寄せられている。
・従業員が気の毒だ。この業界の不安定さは異常だよ。
・ソニーのレイオフに比べれば大したことはない。
・これだけの人数がいて、ディズニーは「インフィニティ」以外に何を作ってるんだろう。
・ゲームは人数ではない。大人気のゲームを4人で開発した会社もある。