シンポジウム「ネット選挙解禁! 当選するにはこう使う! 選ぶにはここを見る!!」開催 (2014/2/24 政治山)
2013年の参議院議員選挙から「ネット選挙」が解禁され、ツイッターやフェイスブックを活用する議員が増えているなか、新たなネットツールを選挙や議会改革にどう活用すればいいかについて議論するシンポジウム「ネット選挙解禁! 当選するにはこう使う! 選ぶにはここを見る!!」が22日、株式会社パイプドビッツ東京本社(東京・港区)で開催された。このシンポジウムは市民と議員の団体「開かれた議会をめざす会」が主催、選挙でのネット活用をテーマにした講演や地方議員によるパネルディスカッションが行われ、市民や地方議員、国会議員秘書など14人が参加した。
第1部は、「政治山」を運営する株式会社パイプドビッツのオープンデータ推進事業部長・市ノ澤充が「ネット選挙解禁で注目されたのはこのキーワード」と題して講演。ネット選挙解禁で政治家や有権者にどのような変化があったのかを、昨年の参院選の事例や政治山調査、ツイッターの分析データをもとに説明した。
政治家側の変化として、ネットを使った情報の受発信を通じて従来よりも多くのデータを活用できるようになったと語り、これまでは直感や経験に頼っていた選挙戦略の立案に、客観的なデータを活用できるようになったとした。また、有権者側についてはまだ際だった変化は見られず、「有権者がネットを有効活用することで住民の声を発信し、市政や区政に主体的に関わることができれば、コミュニケーション・ツールとしてのネット活用が意味を持つようになる」と述べた。
第2部はネットを活用する地方議員3人によるパネルディスカッション「地盤看板カバンなし、ネットありで当選できるか!?~現職地方議員 生レポート&大討論会~」が、杉並区議の奥山たえこ氏を司会に行われた。
長野県佐久市議の飯島雅則氏は、市職員として住民投票に関わったことをきっかけに市議会議員選挙に挑戦し、現在1期目。フェイスブックを活用するなかで、そのつながりから事務局長などスタッフを集めた事例を紹介し、「フェイスブックは仲間を集めるツール。ネットは新人候補者の戦力になる。現在は、活動報告会の参加者募集などにも使っている」と話した。
東京都三鷹市議の半田伸明氏は冒頭、「ネットだけで当選なんてできるわけがない」と明言したうえで、2011年の選挙で選挙公報からブログを見に来る有権者が増えた事例を紹介。ホームページやブログをネットの情報発信基地として利用し、ツイッターやフェイスブックは情報を拡散するものとして利用することを提案。「重要なのは、ネットに限らず情報を拡散してもらえる体制をいかに自分で作るか。拡散してくれる仲間が多いツールを使えばいい」と提案した。
武蔵野市議の川名ゆうじ氏は、2月6日に吉祥寺・三鷹・武蔵境駅の喫煙所を廃止する行政報告があったことを伝えた自身のブログの更新に、一定数のページビューが集まった事例を紹介。議員の情報発信が住民の関心の受け皿になったとし、「ネットはあくまで道具なので、何をするかが重要。住民目線の情報発信を継続的に続けることが大事だ」と語った。
「開かれた議会をめざす会」は、故若林ひとみ文京区議が発起人となり、閉そくした議会を開かれたものにするため全国の地方議員や市民に呼びかけて立ち上がった団体。1996年の同会設立シンポジウム以降、年2~3回のシンポジウムや勉強会、調査等の活動をしている。
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「開かれた議会を目指す会」ホームページ