【政治】原発輸出へ大きな一歩 安倍首相、トルコ首相と会談 NewSphere(ニュースフィア) 2014年1月10日
安倍首相とトルコのエルドアン首相は7日、自由貿易に向けた協議を今年中に開始するということで同意した。エルドアン首相は、日本からのさらなる投資と、二国間貿易の拡大を求めた。
日本、トルコ間の関係強化のための具体的な方法とは?
クウェートニュースエージェンシー(KUNA)は、東京での首脳会議の後の、安倍首相は「日本とトルコは、経済連携協定に向けた、政府間の交渉を開始することで合意した。」と共同記者会見でコメントしたと報じている。今回の首脳会議は、昨年5月、10月に続いて3度目の首脳会議となった。安倍首相はまた、「昨年を通して、二国間関係の構築は急速に進んできた。今年は様々な分野で二国間の戦略的パートナーシップをさらに深めていくことを望んでいる。」ともコメントしている。エルドアン首相もまた、二国間関係を深めるであろう、経済連携協定に関する結論を出すよう努力すると述べたという。
KUNAによると、安倍首相はトルコのアジア側とヨーロッパ側を結ぶ地下鉄を作るプロジェクトに対して430億円を融資するとも述べた。
人民日報傘下のグローバルタイムズ紙によると、6日から8日まで日本を訪問していたエルドアン首相は、二国間の年間貿易額を2023年までに現在の40億ドルから100億ドルにすることを望むとした一方で、今回の日本訪問の焦点は、共同の投資機会を模索することにあると強調した。
グローバルタイムズ紙はエルドアン首相の、「日本、トルコ間の貿易の大きさは限定されているが、団結、強力、そして暖かな友情によって、この問題は解決され得る。」とのコメントを紹介している。同氏はまた、2国間自由貿易協定は、更なる貿易活発化のため欠かすことができないと述べている。
エルドアン首相は2003年に以来首相を務めているが、現在のトルコの赤字は化石燃料の輸入によるもので、再生可能エネルギーを導入することにより解消するであろうと述べていると、グローバルタイムズ紙は報道している。
関係強化するうえで浮上する懸念とは?
KUNAによると、安倍首相とエルドアン首相はまた、原子力に関する協力を強化することに同意した。昨年10月に安倍首相がトルコを訪問した際この同意に至ったが、これにより、日本がトルコに原子炉を輸出する道が整えられそうである。三菱重工を含めた共同事業は、トルコ北部に原子力発電所建設の注文を受けた。また両国は、核エネルギーを含めた先端技術に関する教育を研究者に提供するためイスタンブールに科学技術大学を建設することにも同意した。
UPI通信社は、5月に署名された、原子力に関する同意には、原子力はエネルギー生産という目的のみで使用されるということも含まれたとの朝日新聞の報道も伝えている。だが、実際にはトルコは、ウラン濃縮を行ったりプルトニウムの抽出が可能になるため、武器製造のための核物質を製造する潜在性は残る。
UPI通信社によれば、三菱重工は、黒海に面したトルコの都市シノップに4つの原子炉を建設に関する交渉を行った合併企業の1つである。合意に至った場合、2011年の福島における原発事故以来初めて、日本から原子力技術が輸出されるということになる。