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【龍馬プロジェクトリレーコラム/若手政治家が考える「まちの課題を解決するために」】

第47回 私の問題意識と地域の教育力向上に向けて (2014/10/3 朝長勇/龍馬プロジェクト 九州・沖縄ブロック所属)

関連ワード : 佐賀 少子高齢化 教育 朝長勇 武雄市 

「地方から日本を変える」を合言葉に、日本全国の国会議員や地方議員などが超党派で集まった『龍馬プロジェクト』。政治山では、龍馬プロジェクトの思いに賛同した若手議員によるリレーコラムを連載しています。「まちの課題を解決するために」の第11回は、佐賀県武雄市議会議員で龍馬プロジェクト九州・沖縄ブロック所属の朝長勇氏による「第47回 私の問題意識と地域の教育力向上に向けて」をお届けします。

◇        ◇        ◇

 私の生まれ育った武雄市は小さいながらも古くから温泉地として賑わってきた街で、温泉街のシンボルである楼門は来年(2015年)100周年を迎えます。

 そんな武雄市も高度成長期が終わり、人通りも減り停滞感が漂っていました。そういった状況の中で2006年に現市長である樋渡啓祐氏が「前進か、停滞か!」というスローガンを掲げ、当時国内最年少(36歳)で市長に当選しました。

 当選直後から映画「がばいばあちゃん」のロケ誘致や市民病院の民間移譲など、批判を恐れず果敢に改革に挑む市長の姿を見て、自分にも何か故郷のためにやれることがあるのではないかと感じた。これが私が市議に挑戦するきっかけとなりました。

 少子高齢化・低成長時代の今、感じるのは右肩上がりの成長期に成立してきた制度がすべてにおいて制度疲労を起こしているということです。例えば――

■年金制度:子を産み育て、引き継いだ家系を守る意識が強かったころは老後の福祉制度として機能したが、逆に現在は年金があるから老後は子を頼る必要がない、自分の人生は自分のために楽しく過ごせればよいという依存心を膨張させ、結果的に制度を崩壊させる方向に進んでいる。

■国民保険制度:自己負担が軽いからちょっとした不具合ですぐ病院に行く。特に高齢者は残りの医療費をみんなで負担しているのだという意識が薄くなってしまい、病院通いが日課になっているような方もいる。結果として若い世代の負担が重くなり、結婚や子を産むことをためらわせるような状況になっている。

■義務教育制度:学校は、親の代わりに子供に必要な教養を身につけさせるありがたい存在であったはずが、これが当たり前になり責任感を喪失させてしまい、親が学校を批判するような立場になってしまっている。

 上記のような問題意識が私の根底にあります。抜本的な対策としては、どうやって制度を存続するかよりも、このままでは制度が維持できないということをしっかり伝えていく努力を重ねて、危機感を共有することが大切だと考えます。また絶対的に優れた制度というものは存在せず、意識の変化に伴い制度にも強弱をつけることが必要とも感じます。

 ほかにもインフラの維持更新に伴う財政の問題など抱える課題は多いわけですが、やはり初当選当時、PTAの役員などをやっていたこともあり私の問題意識の中心は教育にあります。生まれ育った国や故郷の歴史や伝統、そして先人の想いに触れ、自尊心や自立心を持った人材を育てていくことができれば、おのずと抱えている諸問題も解決に向かうはずと思うからです。

 教育については、信念を持って素晴らしい取り組みを実践されている方々がたくさんおられますが、これらを義務教育の中ですべて取り入れていくのは現実として無理がありますし、制度を変えるには時間も必要です。

 幸い武雄市では「花まる学習会」との連携をはじめ教育に特に力を注いでいく方針が掲げられており、私としてもこの動きをサポートしていきたいと考えています。

 その一方で、初当選前からご指導を受けている「寺子屋モデル」様のお力添えをいただきながら、私自身も子どもたちに偉人伝を語る活動を継続し、またこれを広めていくことを通して地域の教育力の充実に貢献してまいりたいと考えております。

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朝長勇氏著者プロフィール
朝長 勇(ともなが いさむ) 武雄市議会議員
1967年6月20日生まれ。九州大学経済学部卒業後、(株)富士通ビーエスシー入社、平成7年退社し家業である(有)日新建設入社。
平成22年4月武雄市議会議員初当選、平成26年4月同2期目当選
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