第110回 ピンチの今こそ、地方議会へ住民の目を!勉強会開催への思い  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第110回 ピンチの今こそ、地方議会へ住民の目を!勉強会開催への思い (2014/10/29 東京都東村山市議会議員 佐藤真和氏/LM推進地議連会員)

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政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第110回は、東京都東村山市議会議員の佐藤真和氏による「「ピンチの今こそ、地方議会へ住民の目を!」~勉強会開催への思い」をお届けします。

市制施行50周年の節目に

 都内13番目の市として産声を上げて今年で50年になる東村山市。東村山という地名が生まれて125年目の節目にも当たります。現在、東京で唯一の国立ハンセン病療養所「多磨全生園」をはじめとする市内各所を舞台に、世界的な女性映画監督によってロケが行われています。公開時期はまだ明らかになっていませんが、今から楽しみに待ちたいと思っています。

 議会は定数25(欠員1)で男性17人、女性7人。8会派中1人会派が4つあり、私もその1つ「ちゃんと変えよう!東村山」として12年目の活動中です。

装置の改良はスタートラインに過ぎない

 「見えない」「議論しない」東村山市議会をなんとか変えたいと、2009年5月、3人の議員で会派「変えよう!議会・東村山」を立ち上げました。日頃から意見を交わしてきた市民からは「議会基本条例制定を求める請願」が提出されました。これらがトリガーとなって、東村山市議会は2011年の選挙を挟み、廣瀬克哉先生、会津若松市議会の目黒章三郎議員、多摩市議会の安藤邦彦議員、所沢市議会の桑畠健也議員等々、キーパーソンに議会として直接学ぶと共に、「議会基本条例制定を進める特別委員会」を設置し、石橋光明委員長のもと、超党派での議論、作業を繰り返し、一つひとつ合意形成を積み重ねてきました。

 あれから3年がたちました。

 日本経済新聞社が発行する「日経グローカル」の本年度の議会改革度ランキングで、東村山市議会は前回419位から36位(全国813市区中)にジャンプアップし、早稲田大学マニフェスト研究所の議会改革度調査2013でも473位から52位へと位置付けていただきました。

 本年4月の議会基本条例の施行、議会報告会・市民との意見交換会の定期(年4期・2回ずつ)開催、本会議の録画配信に加えて全委員会のライブ配信、傍聴時の氏名と住所記載の全廃、傍聴席での撮影・録音の自由化、請願(陳情)人の意見表明の保障など、党派・会派を超えて議員間で徹底的に議論し、実現してきたことが評価されたものと受け止め、議員も、それを徹底して支えてきてくれた事務局も、素直に喜び合いました。

 ひとまず装置の大改修は行いました。議論を提起した5年前を考えると、うそのように議員間での議論が活発になり、共同での作業も当たり前になってきました。しかし、それがそもそもの目的である市民福祉の向上につながったのか?答えはまだNOです。

議会不信の波の中で

 都議会のやじや兵庫県議会の政務活動費問題以降、「地方議会なんかいらない!」という声がいっそう高まっています。表出した問題は極めて低次元であり、あんなものと一緒にされては困る、という思いを持った地方議員も多かったことと思います。

 しかし問題の中身は違えども、自分たちの議会が真に機能しているのか…と問うた時、対岸の火事では済まされない話です。批判の矢面に立たされている今だからこそ、市民に地方議会へと目を向けてもらえる千載一遇のチャンスととらえて行動すべき、というのが、私が全国レベルで出会ってきた精鋭たちの共通の思いであると感じています。

「これはチャンスやで」多摩地区勉強会を開催します

 ローカル・マニフェスト(LM)推進地方議員連盟に所属する多摩地区の議員有志で11月6日(木)、「求められている議会・議員を探る」と題した勉強会を開催すべく、準備を重ねています(11月6日(木)10時~17時/東村山駅西口公益施設「サンパルネ」ホール/議員6千円・一般1千円/申込みはLM地議連事務局03-6214-1315まで)。

 当日は、北川正恭先生(早稲田大学政治経済学術院教授/早稲田大学マニフェスト研究所所長)による基調講演に続き、第1部「改革が進む議会と進まない議会の違いはここ!」では多摩地区3市議会の事例発表と討議。第2部「ネットは議会を変えるか」では有権者調査からの問題提起。そして第3部「地方自治における政策の重要性と議会への期待」では、議会出身の首長である渡部尚東村山市長による講演と、市民や研究者を交えたパネルディスカッションと参加者全員でのワークショップを予定しています。

 現在、議員だけでなく、一般の市民の方からの申し込みもいただいています。大いに語り、大いに学ぶ一日にできたらと思っています。

外から学び、中から変える

 社会教育、保育、学童クラブ…子どもたちの育ちと向き合う現場から、地方自治の最前線にいきなり飛び込んで11年半が経ちました。

 主張や理屈ばかりが先行しがちで、敵か味方か、与党か野党か…などという話に引きずられることの多かった議会ですが、党派、会派を超えて、互いの考えに耳を傾け、真剣に議論し、よりよい解を模索することに、少しずつですが慣れてきたように思います。

 議会改革の取り組みを通じて実感していることは、人として信頼し合えるか、議論する価値のある相手だと思ってもらえるか、合意形成のために互いに汗することができるか…。一人ひとりの人間としての度量が問われる、という、世の中では当たり前のことばかりです。

 外に飛び出して学ぶことを通じて、高い志を持ち、自分自身を日々磨き地方自治の現場でがんばる多くの先輩や仲間と出会えたことが、私自身の力の源泉となっています。今回もこのような企画を仲間とともに進めることで、新たな気づきを得て、また一つ歩みを進められたらと思っています。

勉強会「求められている議会・議員を探る」 >>詳細と申し込み用紙はコチラ
日 時: 11月6日(木)10~17時
場 所: 東村山駅西口公益施設「サンパルネ」ホール
参加費: 議員6,000円、一般1,000円
申込み: LM地議連事務局 03-6214-1315 まで
著者プロフィール
佐藤真和氏佐藤 真和(さとう まさたか):1963年6月27日生。慶應義塾大学卒。民間社会教育・野外教育の職員として13年。その後、学童保育、保育所等に勤務の後、2003年4月の市議選に初当選。「大事なことは市民が決める東村山へ」をテーマに、一貫して無所属。3期目の現在は一人会派「ちゃんと変えよう!東村山」として活動。自治体学会会員/「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク会員/NPO法人多摩住民自治研究所理事
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