政治山調査特別編「AKB48 22nd シングル 選抜総選挙 投票分析結果」
AKB48の「AKB48 22nd シングル 選抜総選挙」 (以下「総選挙」)が、5月24日から6月8日まで16日間にわたり行われました。政治山を運営する株式会社パイプドビッツ(以下「当社」)は、第三者機関として 総選挙の投票システムの運用と投票集計を担当いたしました。政治山調査の特別編として、投票の分析結果を報告します。
1.投票方法
総選挙 の投票方法は大きく分けて2種類。
(1)シングルCD「Everyday、カチューシャ」に封入された投票券(以下「CD投票券」)によるもの
(2)ファンクラブや携帯サイトなどの会員(以下「その他」)によるもの
2.分析対象とレポートの種類
(1)CD投票券による投票(779,090件)を対象に、投票状況をレポートします。
(2)CD投票券による投票と同時に、アンケートを実施しました(回答数505,505件)。
開示可能な範囲でアンケート結果をレポートします。
総投票数1,166,145のうち、 CD投票券による投票(779,090件)を対象にレポートします。
1-1.投票方法別の投票数
1-2.投票率
1-3.日付別投票数
1-4.時間帯別投票数
1-1.投票方法別の投票数
投票方法別の投票数は、総投票数1,166,145件のうち、CD投票券による投票が779,090件、その他の投票が387,055件でした。CD投票券による投票が3分の2を占めています。
1-2.投票率
CD発売元(キングレコード)の調べによると、6/8までの投票券付きCDの売り上げ枚数は 約100万枚。CD投票券による投票は779,090件なので、投票率はおよそ78%にのぼりました。
1-3.日付別投票数
投票券付きCDの発売日は5/25で、投票はCDが店頭に並ぶ前日の5/24にスタートしました。
CDの発売初日の投票数が77,260件と最も多く、全投票数の1割にのぼりました。投票期間中に公表された速報値は、この時点のデータです。
その後、投票期間終盤の2日間にかけ込みで投票が行われ、最終日前日に 73,202件、最終日に72,268 件の投票がありました。
1-4.時間帯別投票数
時間帯別投票数を見ると、21時台に投票した件数が最も多く、次いで22時台でした。
CDの購入者が帰宅後に開封し、投票するといった行動が垣間見えます。
CD投票券による投票と同時に実施したアンケート結果をレポートします(回答数505,505件)。
2-1.男女比と年代構成比
2-2.地域別の10~39歳の人口・投票率
2-1.男女比と年代構成比
男女比を見ると、男性70.9%、女性26.1%と男性の割合が高く、さらに年代別に分けてみると、
最も投票数が多い層は10代男性で、次いで20代男性、10代女性という結果となりました。
2-2.地域別の10~39歳の人口・投票率
地域 | 全年代(0~70歳以上) | 10~39歳 | ||||
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投票数 (件) |
人口 (人) |
人口・投票率 (‰) |
投票数 (件) |
人口 (人) |
人口・投票率 (‰) |
|
北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島 | 54,664 | 14,877,000 | 3.67 | 52,122 | 4,874,000 | 10.69 |
茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、静岡 | 68,944 | 19,237,000 | 3.58 | 65,985 | 6,473,000 | 10.19 |
首都エリア(埼玉、千葉、東京、神奈川) | 153,894 | 35,080,000 | 4.39 | 146,103 | 13,103,000 | 11.15 |
中京エリア(岐阜、愛知、三重) | 47,649 | 11,380,000 | 4.19 | 45,410 | 4,166,000 | 10.90 |
京阪神エリア(京都、大阪、兵庫) | 58,844 | 17,006,000 | 3.45 | 56,713 | 6,098,000 | 9.30 |
滋賀、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、広島、山口 | 35,280 | 11,377,000 | 3.10 | 33,722 | 3,819,000 | 8.83 |
徳島、香川、愛媛、高知 | 9,776 | 3,990,000 | 2.45 | 9,400 | 1,260,000 | 7.46 |
福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄 | 39,730 | 14,566,000 | 2.73 | 38,235 | 4,951,000 | 7.72 |
総選挙に対する興味関心の分布を見るために、参考指標として人口・投票率(人口千人当たりの投票数(アンケート回答数)※)を算出し、地域別にまとめました。
地域別に10~39歳の人口・投票率を比較すると、劇場がある東京、愛知、大阪の近郊エリアに限らず、北海道、東北地方を筆頭に、周辺地域にも総選挙に対する興味関心が広がっていることが分かりました。
※1人で複数枚の投票券付CDを購入することが可能なため、人口に対する指標としては適切性に欠く部分がありますが、ここでは、総選挙に対する興味関心の地域分布の傾向をみることを目的として、特別に採用しました。
今回の総選挙のCD投票券による投票率は78%を記録しました。高い投票率を記録した要因として、何よりもファンによる強い支持が挙げられますが、その他の要因として、インターネット投票による貢献が挙げられます。16日間に及ぶ投票期間中、24時間体制で投票を受け付けたことにより、昼夜を問わず投票できたということが考えられます。
また、コアなファン層が10~20代であるという前提はあるものの、若者の投票数を多さをみると、国政選挙や地方選挙における若年層の投票率向上を図る上では、投票手段としてインターネットを活用することは有効かもしれません。
CDと共に配布された投票券から不正を許すことなく投票を受け付けることに成功した今回の総選挙および本選挙分析結果は、公職選挙におけるインターネット投票の可能性を探る意味でも、有意義なものだったのではないでしょうか。