[新潟・長岡市]乾杯条例制定5周年 (2019/6/14 マイ広報紙)
この記事は「ながおか市政だより 令和元年6月号『乾杯条例は5周年 16酒蔵は県内一 酒どころ・長岡で飲んで!食べて!』」を紹介し、コメントしたものです。
全国各地で制定されている条例に「乾杯条例」というものがあります。2013年に京都市で制定された「京都市清酒の普及の促進に関する条例」が最初の事例とされていますが、その後に、各地で同様の条例が制定されているのです。
この条例は、日本酒離れに歯止めをかけようという趣旨で、日本酒が生産されている地域で、宴会などで日本酒で乾杯することを奨励するというものです。あくまでも奨励するだけの条例で、具体的な施策が伴うようなことはほとんどないようではありますが、そうだからこそなのか、全国各地でその制定が広がっています。
条例の制定が広がるなかで、日本酒ではなく、各地の特産品を掲げる事例も見られるようになっています。なかには、茨城県小美玉市のように、「乳製品乾杯条例」を制定するようなところもあります。
今回記事をピックアップするのは、そんな乾杯条例を制定している自治体のひとつの新潟県長岡市です。長岡市では、長岡市日本酒で乾杯を推進する条例を制定して5周年を迎えます。これを記念して、市内飲食店でポスターを掲示するなど、条例が掲げる理念の実現のための取り組みがなされているのです。長岡市内では、「越後長岡美酒めぐり」と題して、市内の46店舗で「晩酌セット」が提供されるといったイベントも企画されています。さらに、スタンプラリーも行われています。
日本酒で乾杯することを奨励する条例を制定した自治体はありますが、一方で、制定してそれで終わりというところもあります。これでは、ただ流行に乗じて条例を制定しただけに終わってしまいます。条例制定後も、その理念を実現するために、どのような工夫を行っていくのかということが問われているのです。
条例制定5周年に着目し、それに合わせてイベントを企画する長岡市は、制定した条例を「生きたもの」とするための工夫を行っていると言えるでしょう。
- [筆者]東京工業大学環境・社会理工学院研究員/本田正美
- [参考]ながおか市政だより 令和元年6月号
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