[兵庫・たつの市]右綴じと左綴じ (2016/4/1 本田正美)
この記事は「広報たつの お知らせ版 2016年3月25日号『「広報たつのお知らせ版」デザイン変更のお知らせ』」を紹介し、コメントしたものです。
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兵庫県たつの市は、毎月10日に「広報たつの」、25日に「広報たつのお知らせ版」を発行しています。「お知らせ版」は、イベントの開催案内や各種募集など、必要事項だけを列挙した「お知らせ」を集めたものです。「広報たつの」にも、「情報ランド」という記事で「お知らせ」が掲載されているのですが、「お知らせ版」では項目数が格段に多いのが特徴です。
イベントの案内など、ひと月に一回の広報紙の発行ペースでは、情報が古くなってしまうこともありますし、そもそも紙面の都合上、多くの項目を掲載出来ないということもありますので、このたつの市のように、「お知らせ」だけを切り出して別途広報紙として発行するという工夫がなされているのだと思います。
その「広報たつのお知らせ版」は、4月号から、デザイン変更があります。
「広報たつの」は右綴じ、「広報たつのお知らせ版」は左綴じで発行されていました。この不揃いが市民には不評だったようで、市民からの要望を受けて、右綴じで統一されることになったのです。
このデザイン変更を知らせる記事中には、「保存しやすいように統一してほしい」という市民からの意見が紹介されています。
ここで注目したいのは、「保存しやすいように」というように、広報紙を保存している読者の存在です。つまり、市の広報紙を保存している人が一定数いるということです。
市の広報紙を長年保存している人は、いったいどれだけの量の広報紙を保有することになっているのか気になるところですが、マイ広報紙のように電子化された広報紙が入手可能になると、わざわざ紙の広報紙を保存する必要もなくなるかもしれません。
今回の綴じの統一の件も、Webサイト上では、あまり大きな問題にはなりません。
紙の広報紙の必要性や重要性が大きく減じることは当分なさそうですが、紙の広報紙ゆえの課題の一部は、電子化によって解消されていくのではないでしょうか。
- [著者]島根大学研究機構戦略的研究推進センター特任助教、東京大学大学院情報学環交流研究員 本田正美
- [参考]広報たつの お知らせ版 2016年3月25日号