[千葉・千葉市]参加団体募集 市長の出前講座 (2015/8/21 本田正美)
市民と行政の接点となる広聴事業。各自治体で様々な取り組みが行われています。
「ちば市政だより」平成27年8月15日号掲載の千葉市が実施する「市長の出前講座」は代表的な取り組みのひとつです。これは、千葉市の熊谷俊人市長が市民のもとに出向いて、施策の説明や意見交換を行うというものです。市政に関する各テーマにつき担当者が講座を行う場合もあり、千葉市でも「市政出前講座」というのもがあります。この講座は常時開催申し込みが可能です。対して、市長による出前講座は、年数回の日程しか組まれていないものです。市長と意見交換する機会はなかなかありませんので、市民にとっても貴重な場となります。
出前講座については、千葉市の広報にも「参加団体募集」とあるように、何らかの活動をしている団体向けに実施することが多いようです。個々の市民の要望に応えて、市長が時間を設けて講座を行うというのは現実的ではありませんので、妥当な対応と言えるでしょう。
今回の市長の出前講座の日時は、以下のように設定されています。
10月26日(月曜日)13時30分~14時30分、19時~20時
11月6日(金曜日)10時~11時、11月7日(土曜日)17時~18時
いずれの自治体でも市長は多忙を極めます。まして、政令市である千葉市ともなれば、市長の時間のやりくりは大変な作業でしょう。そのような中でも、平日や土曜日、午前や午後など時間設定に工夫が見られます。
この出前講座と合わせて、参加団体を募り、市長室に招いて市長と昼食を共にしながら意見交換を行う「ランチ・ミーティング」というものも行われています。
このように、限られた時間の中で、市長は出来るだけ広聴事業に関与しようとしているのです。それだけ、市民との接点を数多く設け、多様な意見を集めることに、市長以下、各地の自治体は注力しているのです。
ところで、千葉市の熊谷市長はtwitter上での市民からの意見や批判にも丁寧に答えることで知られています。
広聴事業には、「市長への手紙」などがあり、さらに実際に役所の窓口に足を運んで意見を寄せる市民への対応もこの広聴事業には含まれます。出前講座のような場での対応とWeb上での対応。いずれもが重要であり、そのバランスをいかに取っていくのか。熊谷市長は発信力も高く、その結果として、市民からも多くの反応を受けているというのが現状でしょうから、その手腕に注目したいところです。
- [著者]島根大学研究機構戦略的研究推進センター特任助教、東京大学大学院情報学環交流研究員 本田正美
- [参考]ちば市政だより 平成27年8月15日号 千葉県千葉市