インターネット上でのトラブルを犯罪に発展させないための防犯対策 (2019/2/8 「Moly.jp」編集部)
われわれの生活に欠かせないインターネット。遠く離れた人とも瞬時にコンタクトをとれる非常に便利なものです。ただ、インターネットを利用するにはトラブルの加害者や被害者になりうることを意識しなければなりません。どんなトラブルが発生し、またどのように防げばいいでしょうか。
ネット上のトラブルと犯罪は隣り合わせ
時として犯罪に使われるインターネット。現実社会と違って防犯という意識が生まれにくいこともあり、インターネット上のトラブルは軽視されがちです。
たとえばSNS。毎日更新している人もいると思いますが、SNS関連のトラブルは非常に多いのです。見ず知らずの人にフォローされてメッセージを送り合っていたが、ふとしたことがきっかけで相手との仲が悪くなり、相手が暴言を吐いてきた。なんて状況は十分ありえます。
暴言を聞き流せればそれでいいのですが、こちらが無視するとより過激な言葉をかけてきたり、あることないこと言いふらして拡散させたり、はたまた当事者同士でしか知らない個人情報をばら撒かれたりと、明らかに犯罪につながる行為をされた場合、話は別。名誉毀損罪などが成立しうるため立派な犯罪です。
また、相手が気に食わないからと掲示板やツイッター、ブログなどで個人情報や顔画像を晒して誹謗中傷する人間も存在します。匿名なのをいいことに言いたい放題なわけですが、こちらも相手が気付いて被害届を出せば警察が動くため、書きこんだ人間が特定されて何らかの罪に問われる可能性が十分にあります。
誰もが気軽に使えるインターネットは、その気軽さゆえに、「もしかしたらこの行為は犯罪になるんじゃないか」と思いにくくなるのが欠点。これくらい良いや、と甘い気持ちで根も葉もないことを発信する人間が多いのが実情です。
同時にインターネット上には防犯という概念がないと思いこむ人もまた存在しており、身も守る術を知らない人も多く見られます。
インターネットを使う以上は犯罪や防犯の意識を持ち、トラブルを回避する必要があるのです。
深刻なトラブルや犯罪に発展する前に
特定の人間に執拗に絡まれ、正直うんざりした経験はありませんか。いわゆる「話の通じない」人間はインターネット上にいくらでもいるため、「これ以上絡むのはやめてほしい」と頼んでも聞き入れません。そればかりか余計エスカレートして相手の人格を否定する言葉を発してくることも。そうした相手に何を言っても無駄ですから、ブロックで対処するのが良いでしょう。あるいは新規にアカウントを取得するのも手です。
売り言葉に買い言葉で反応してしまうと、相手は逆上あるいは調子づいてくるので反応するだけ損。言い返したい気持ちをぐっと抑え、ブロックしてしまうのがベストと言えます。
自分の裸の画像を掲示板にアップされた
「見ず知らずの人間から裸の画像をよこせと言われた」
半裸または全裸の画像をうかつにも送ってしまった結果、掲示板に貼られたり、ツイッターで拡散されたりしてしまう事例が多く見られます。個人情報でもそうですが、自分の裸体画像が瞬時にネットの海に広がっていくのは非常に恐怖。削除しても画像を保存されればすぐに再アップできてしまい、ネット上から完全に削除するのはほぼ不可能です。
見ず知らずの相手でなくとも、たとえ恋人や同級生など顔見知りであってももちろん、こうした画像の要求に応じてはいけません。もしかしたら悪用されるかも、という「防犯意識」を持てば、そもそも恥ずかしい画像を送ることはできないでしょう。
信頼できる(とこちらが思っている)相手だからとむやみに裸体の画像を送れば、必ず後悔します。
子供同士のネットでのトラブルと防犯
今や小学生でもスマホを持つ時代。ペアレンタルロックをかけるなどして有害サイトにアクセスできなくする方法はあるとはいえ、完全に犯罪から隔離できるわけではありません。先に紹介した裸体画像を友人などに送る行為や、SNSやLINEでのいじめ・仲間はずれ、ワンクリック詐欺など、大人が引っ掛かるのとほぼ同じトラブルに遭遇しています。
興味本位から危険なサイトにアクセスし、気付けば高額な請求がきたなんて事例も。
子供にインターネットを使わせるにあたり、機能制限をかけるのは必須。またメールやLINEに関しては、メッセージを勝手に見るのは親子と言えど好ましくないため、日頃の友達付き合いの様子をそれとなく聞き出していじめの兆候を見逃さないように努めることが重要です。
万一子供が犯罪に加担しているような場合、子供を問いただすのではなく、学校や警察に相談してからの方が良いでしょう。善悪の判断がついた上での行為ならば余計、親からの詰問に対して態度を硬化させるため逆効果です。
逆にインターネットを全く使わせないのも酷ですし、現実的ではありません。学習の一環でインターネットを利用せざるを得ない場面はあるでしょうから、完全にシャットアウトするのは好ましくありません。
トラブルが犯罪に発展したら被害届を出した方が良いケースも
あまりに誹謗中傷がひどくて耐えられない、毎日大量に人格否定のメッセージが送られてくるなどの事態になれば、被害届を提出した方がいいでしょう。子供が被害に遭っている場合は、親同伴で警察に行くことになります。
名誉毀損、罵倒、営業妨害、リベンジポルノなど、被害の内容はどんなものでも構いません。まずは実際に被害を受けている証拠を集めるところからスタート。実は、「○○という被害に悩んでいて……」と警察に訴えたところで、それを裏付ける証拠がなければ警察は動かないからです。
警察を説得するに足る証拠をすこしでも多く集める必要があります。そしてその証拠とともに被害届を提出。警察に赴き、被害届の書式に記入するだけでOK。ネット上の犯罪ならば、警察よりも各都道府県のサイバー犯罪窓口に連絡した方がスムーズに相談できるので、併せて検討するといいでしょう。
相談に行く際は
●こちらの氏名、住所、電話番号
●加害者のできるだけ詳しい情報(氏名、住所など)
●該当サイトやアカウント、URL、投稿日時
●印鑑、身分証明書
を事前に用意しておきます。
また、相談に行く際はなるべく早めに動くことを推奨します。時間が経てば相手はサイトやツイートを消すかも知れないため、いくらでも隠ぺい出来てしまうからです。
インターネットの世界でも「防犯」は必須
リアル社会で不満があると、人はインターネット上で愚痴を吐いてストレスを発散しようとします。また、リアルでうまくいかないとヤケになり、つい過激な本音を漏らすこともあります。現実社会とネット社会とでは価値観や世界がそもそも違うため、どちらか一方の価値観をあてはめようにもあてはまらないことは、経験的に分かるでしょう。不平不満、過激思想の渦巻くネット世界だからこそ、「防犯」意識が必要なのは言うまでもありません。
これまで紹介してきた様なSNSや掲示板でのトラブルは、言わば無法地帯。不適切な書き込みはサイト運営者が削除しているとはいえ、完璧に対応しているとは言えません。インターネット利用においては各人が「防犯」意識を持ち、仮にトラブル発展しそうな場合はコンタクトを取らない、警察に相談など適切に対処することが賢明です。
まとめ
インターネットは便利ゆえ、トラブルや犯罪となりうる事例が数多く存在しています。現実問題としてインターネットを100%安全な場にすることは不可能なので、利用者個人個人がトラブルや犯罪に関与しないよう「防犯」意識を高めたいものですね。
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