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女性が活躍する職場でやっぱり活躍しているものとは (2018/2/21 瓦版

停滞気味の女性活躍のブレイクスルー

職場で輝く女性が着実に増加している。本人のやる気次第で、活躍するステージへ上がるハードルが下がっていることがひとつの要因といえるだろう。だが、肝心の“やる気”の部分は、まだまだ消極派が多いのも事実。ポストを無理やり押し付けてもうまくいく筈はなく、各企業も新たな壁にぶち当たっている…。

働く女性

成功事例にみる女性が活躍する職場の条件

結婚、出産後も仕事を続ける。そうした女性は増えている。だが、その理由は世帯収入を維持するためが大半で、必ずしも能動的とはいえない。女性活躍といいながら、いまだ家事・育児を担うのは女性という風潮も根強い。だからせめて、職場でまで負荷は負いたくない…。女性管理職が敬遠されがちなのは、そうした背景があることは否めない。

育休を取得しやすくする、長時間労働を減らす…。各企業の女性の働きやすさへの向き合い方は、想像以上に真摯だ。働き方改革だからという側面ももちろんあるが、純粋に戦力として、女性人材の価値を評価している。なんとしても長く働き続けてもらい、チカラになって欲しい--。まだまだもがく企業も多いが、女性が活躍する職場づくりに成功している企業も少なくない。そうした取り組みからは、見落としがちなポイントが共通項として浮かび上がってくる。

事例その1
初の女性管理職登用に成功したある企業は、女性顧客の増加という需要に応えるため、女性社員の活躍に期待を寄せた。ある女性社員に昇進を打診もした。ところが、あえなく断れる。そこで、昇進後もしっかりフォローするという会社側の意思を加え、再度説得。管理職になることを受け入れてもらうことに成功した。

事例その2
別の企業は、社内の業務体制を業績の向上にあわせ、変更。その過程で社員から不安の声があがる。そこで、個々の違いを理解し、出来る限り寄り添う姿勢で歩み寄り、不安を払しょく。変化により、生じる不安を取り除くことで、女性の働きやすい体制を構築していった。

事例その3
さらに別の1社は、社長が先頭に立ち、女性活躍を推進。推進する会も発足させ、どんどん職場改善を進めていく。そうやって、職場全体を巻き込むことで、男女の壁もなくなり、女性社員の活躍が増加。女性活躍に留まらない業務改善案も生まれるなど、職場全体の活性化につなげた――。

上記3つの成功事例の共通項。それは、女性の働き方改革を取っ掛かりにしながら、同様に男性の働きやすさも向上させている点だ。その結果、男女関係なく職場に助け合いの意識が高まり、全体の働き方の改善が実現している。

女性が職場復帰しやすい職場の特徴

その有効性を裏付けるような調査結果もある。(株)インディプロスが、産休・育休から復職後の周囲のサポート状況や自身の気持ちの変化について、2014年4月以降に産休・育休から復職した女性152人を対象にアンケート調査だ。

職場復帰後の生活に関しては、約半数が「思ったより楽しい」と回答。復帰前はネガティブな気持ちが強かった人でも60%以上が「思ったより楽しい」と感じている。ブランクに対する不安があるワーママを、迎え入れる職場がしっかりとケアしていることがうかがえる結果といえるだろう。

復帰に際しての不安に対する職場のフォローの充実度

インディプロス調べ

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一方で「思ったより辛い」と回答した人は約20%。5人に1人の割合で、決して少なくない印象だ。その大きな要因は「周囲との関係性(無理解/パワハラ)」や「仕事での不完全燃焼感」、「待遇の悪化」を挙げている人が多い。このことからは、女性を“差別”する職場では、男性の古い体質が染みついており、女性社員への諸々の施策を必ずしも快く思っていないことがにじんでいるといえる。

女性の活躍推進というと、ともすれば女性だけに焦点をあてればいいと考えがちだ。だが、それでは男性社員もいい気はしない。そもそも、いまや男性の育休もその取得が促進される時代。女性への“優遇”が、職場全体のものであるという風土の醸成につながっていかなければ、せっかくの施策も十分な効果を期待できないだろう。だからこそ、女性活躍を推進する際には、同様に男性にもメリットがあるという意識付けや工夫を徹底することが重要となる。

女性が働きやすければ男性も働きやすい

トーマツイノベーションが東京大学准教授の中原淳氏と行った共同研究でも女性が働き続けたい職場の特徴の1位は「機会を男性同様に与えてくれる」、2位が「助け合いのある職場」となっている。さらに既婚や育児中の女性に柔軟な働き方をサポートする雰囲気がある人が多い職場では男性も就労継続を希望する割合が高いことが分かっている。

東京大学准教授の中原淳氏

差別ではなく区別。とりわけ意識の面では、まだまだ職場における男女差は存在する。重要なことは、ふさわしい人がしっかりと活躍するためには何が必要か、という発想だ。そこに男女差は関係ない。優秀な女性社員が育休で不在になる。ならば男性社員が穴を埋めればいい。そこで結果を出せば、当然その評価は上がるだろう。そうなれば、戻ってきた女性社員はますます頑張るハズだ。男性が育休を取得した際も同様だ。こうした循環が当たり前になれば、組織力は強固になり、業績も向上。全員がハッピーになる。

女性活躍がなかなか進まない…。そう感じているなら、そもそも、職場が本当に働きやすい環境なのか。そこを改めて検証してみると、見落としていたその元凶があぶり出されてくるかもしれない…。

提供:瓦版

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