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「働き方は変わっていない」が過半数。大規模調査で分かったそのもっともな理由 (2018/3/15 瓦版

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エン・ジャパンが実施した調査で判明した働き方改革のお粗末な実態

働き方改革に取り組んでいる。でも、働き方は変わらない…。こうした声を聴くことは珍しくない。エン・ジャパンが実施した6,768人のビジネスパーソンを対象にした調査から分かったのは、その原因が鮮明になる、働き方改革のお粗末な実態だ。

【図3】「今いる会社で、働き方改革に取り組んでいる」と回答された方に伺います。会社の働き方改革に対する取り組みで、あなたの働き方は変わりましたか?

エン・ジャパン調べ

在籍企業が「働き方改革に取り組んでいる」と回答したのは、43%。大小企業を合わせた数字であることを考慮すれば、それなりの数字ではある。だが、それによって働き方が「変わった」と回答したのは22%。「変わらない」は51%で過半数を超えた。まさに笛吹けど踊らず、そのもので、“改革”はほとんど機能していないことがうかがえる。

なぜ変わらないのか。その理由として挙がっているのは、1位が「制度や仕組みが現場の実態にあっていないため」で48%。2位「担当している仕事の量が多いため」(39%)、3位が「できた制度や仕組みを実際に使う機会がないため」(31%)となっている。いずれも、上層部が現場をしっかりとチェックしていれば挙がり得ない理由であり、改革が名ばかりであることを逆説的に際立たせている。

会社が取り組む働き方改革で、自身の働き方が「変わらない」「どちらとも言えない」と回答した方に伺います。その理由を教えてください。

エン・ジャパン調べ

働き方改革を行う目的はなんなのか…。実行できない理由から逆算すると、<政府が打ち出しているから>、といわんばかりの「とりあえず感」がムンムンだ。「取り組んでいる」と回答した人の取り組み内容は「ノー残業デーや深夜残業禁止など、長時間労働の見直し」が79%で断トツのトップ。これを、できない理由トップ3とすり合わせるだけでも、現状無視の“とりあえず改革”であることは明白だ。

なぜ働き方改革は、空回りを続けるのか…

本気で改革するならまず、業務量と業務時間の精査が必要となってくるだろう。これなくして、単に「生産性向上だ」とアピールしても、絵に描いた餅だ。とはいえ、業務量にしろ、業務時間にしろ、精査となると、現場の反発もありうるだろう。業務量については、売上との相関もあり、単純に削減すればいいという話でもない…。そうした難しい状況の中で、管理側も現場側も無言の忖度で結果的に中途半端な取り組みなっているという側面は多分にあるだろう。

今いる会社では、働き方改革に取り組んでいますか?

エン・ジャパン調べ

その意味では、必ずしも改革が進んでいないことについて、イコール不満とは必ずしも言えないマイルド感はほんのり漂う。とはいえ、ここで改革に取り組まなければ、企業力は確実に弱体化し、ライバル企業どころか、世界の企業から取り残されかねない…。そうした危機が迫っていることは事実だ。個人でできることとして挙がっている「仕事の進め方の工夫」「周囲との協力体制」を徹底するなど、地道でも現状より良くする努力は不可欠だろう。

もちろん、企業側も中長期的に生産性の低い業務の見直しや撤退といったドラステッィクな取り組みに乗り出すことは避けられないだろう。ロボットやAIを戦略的に活用することで、現場の負担を減らし、より創造的な業務へシフトさせる施策も必須といえる。そうして企業も個人もが、その必要性を共通認識し、少しづつでも改革に前進していくことで初めて、こうした調査結果で「働き方が変わった」の回答が過半数を超える日が来るハズだ。

提供:瓦版

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