【取材、その後。】カラダの声に気づかせてくれるパッケージデザインとは? (2017/4/6 70seeds)
昨年のインタビュー記事でも紹介した、国産薬草茶ブランドの{tabel}。
参考記事:名もない草が、世界ブランドになった日-伝統茶{tabel}にみる地方の魅力の見つけかた
お話を伺ったブランド代表の新田さんは、掲載後さらに活躍の場を広げ、全国各地を飛び回る毎日を送っているそうです。
今回の記事で紹介するのは、そんな新田さんから取材の際に伺った、薬草茶のデザインとカラダが発するサインの関係についてのこぼれ話。卒業、就職、部署異動…など、環境の変化にストレスを感じやすいこの季節、ちょっと役に立つかもしれませんよ。
ペントアワード銀賞を獲得した{tabel}デザインの裏側
{tabel}のお茶をはじめて飲んだのは取材中のこと。ちょっとスパイシーなそれは、石垣島の「月桃茶」というものだ、と新田さんは教えてくれた。
鹿児島県の南部から南の地域…特に沖縄県でよく自生している植物で、英語でいうとシェルジンジャー(Shell Ginger)というショウガの仲間です。、なので後味がすこしスパイシーで華やかな香りのある、ちょっとポカポカするようなお茶です(笑)。
私から出てきたのは、「あったまるようなお茶ですね」というごく当たり前の感想。だが、そのシンプルな感想こそが、{tabel}のデザインの根本にあるものなのだという。新田さんは熱を込めて、パッケージに込めた工夫について語る。
そうです、そうです!法律上、基本的に効果効能って食品のパッケージに書くことができないんですね。なので色で、なんとなくわかるようにしていて、デトックス排出系は青色とか、穏やかにしてくれる系は黄緑とか、温まる系はピンクみたいな感じで、パッケージの色で直感的に選べるようにしています。
実は難しいところで、そこってやっぱり正確に伝えなければいけないから規制が大切なのもわかるし、かといって、(●●に効く、と言い伝えられてきたことが)ひとつの文化であったり、研究が追いついていないけど体感ができていることだったり、魅力のひとつだったりもするので伝えたい。合法なギリギリのラインで表現しています(笑)。
カラダの声を聴く、求めているものを摂る
そんな話をしながら、新田さんが取り出して見せてくれたのは、缶に入った薬草茶たち。黄緑のパッケージは、元気を出させてくれたり、調子を整えてくれる調整役。涼しげな青いパッケージは、体の余分な熱をとってくれるデトックス系。そして一番強い印象を与える赤色の大和当帰茶は、新田さん曰く「ショウガよりも体を温めてくれると思っている」のだそう。
これが{tabel}のパッケージデザインがつくること、なんとなく、のイメージで選んでも求めているものと出会える工夫なのだ、新田さんはそう語る。
色が効果効能になってますよって説明しなくても、直感的に選んでもらえてるシーンをみると、やっぱり直感は体質に合ったものをちゃんと選べてるんだと思いますよね。
味見をしてもらうとわかりやすいんですけれど、4~8種類とかたくさんのお茶を、名前も効果効能もわからない状態で味見して「今日はコレがおいしく感じる」というものを聞いていくと、そのお茶の効果効能がその人の体質と合ってることがよくあったりして。
自分が欲しているものは、自分の体が一番知っているのかもしれない。そんな問いかけに、新田さんは大きくうなずいて、こう続けてくれた。
そうなんです。現在、私たちは頭で考えて選ぶこと多いじゃないですか。自分が疲れてるから癒し系のお茶飲もうとか、冷えるから温まるお茶飲もうとか。じゃなくって、カラダが素直に感じているものとか欲しているものと結び付けていったり、カラダの声を聴く時間を持つことによってカラダとココロのバランスって取り戻していけるな、とか。
カラダって本当に優秀な仕組みになっているので、自分がほしいと思うもの、食べたいなぁと思うもの(依存的に欲しくなるもの以外)はカラダが求めているものなんだっていう風に感じ取りながら、日々日々の「今日はこんな感じだな」っていうのが聞こえてくるようになるとすごくいいなって思うんです。
効能を言葉で語ることは、頭で考える「わかりやすさ」とつながっている。それは一方で、体が本当に感じていること、求めていることに気づきにくくなってしまっていることを、私たちに伝えているのかもしれない。知らず知らずのうちに、体の声に気づかせてくれる{tabel}のパッケージデザイン、私は何色を選ぶだろうか。
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