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進むデジタル化とデータ活用 2025年のCSRレポーティングの世界は? (2016/11/1 EcoNetworks

関連ワード : CSR 

情報がどんどんデジタル化していく。
データによってステークホルダーが力を得ていく。

登壇する機会をいただいたセミナー
【2025年を見据えたCSRコミュニケーション】
~10年後のCSR・非財務情報の開示の在り方から、今できることとは~
で取り上げられていたGRIの「レポーティング2025プロジェクト」の報告のなかで、
私が一番興味を持ったのが
「デジタル化」
「(ステークホルダーの)データによるエンパワメント」
の2つのキーワードです。

かなりざっくりまとめると、

デジタル化が進むことで、情報ソースは多様化する。
データはリアルタイムにアクセスできるようになる。
カスタマイズされて使いやすい形で提供される。
企業は情報のコントロールができなくなる。
企業が社会に与えるインパクトも明らかになってくる。
それらに伴い、企業とステークホルダーとの関係性は変化していく。

・・・といってもなんのことか、あまりイメージが湧かないかもしれません。

たとえば「デジタル」「データ活用」に関連した事例では、10月に米国で発表された、
気候変動に対するレジリエンスを高めるためのデータ活用イニシアチブ
Partnership for Resilience and Preparedness (PREP)があります。

ホワイトハウス、世界資源研究所、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなどが参加し、
様々なデータを地図上に重ね合わせることで、
気候変動による影響を予測し、事業活動や投資判断に役立てていくことを目指す動きです。

サプライチェーンの透明化では、Nikeがサプライヤーマップを公開しています。
世界のどこに工場があり、クリックすると従業員の男女比や
移民労働者の比率などを見ることができます。

マークス&スペンサーが同様の取り組みをしているほか、
パタゴニアは10年ほど前からサプライチェーンにおける環境フットプリントの透明化に取り組んでいます。

ほかにも農業などに携わる途上国の1次生産者の携帯情報を利用して
サプライチェーンの見える化に取り組む動き。
ESGデータ解析にAIを導入して膨大な情報を分析しているケース。
ユーザー同士が製品のESG情報を共有し評価し合うツール。
など様々な例があります。

インターネットとソーシャルメディアの発達により、
売り手と買い手の情報の非対称性が解消されてきましたが、
今後はESG・サステナビリティ情報の世界でも
同様のことが起きてきます。

企業が消費者の様々な情報を収集して活用しているように、
同じレベルでステークホルダー側も企業の情報を収集するようになる。。。

そうした世界の中で、企業の情報開示とコミュニケーションのスタンスはどうあるべきか?

これからの10年を考えていく上での大きなテーマです。

提供:EcoNetworks

著者プロフィール
野澤 健

野澤 健 Takeshi Nozawa
代表取締役/CEO。調査分析/エンゲージメント部門を担っています。

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