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タイが高齢化する貧困層へ社会保障を拡充、ナショナルeペイメントも運用 (2016/9/8 The Povertist

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タイの僧侶

タイ政府が低所得の高齢者向けに社会保障給付金と補助金を追加給付を実施する。給付対象となるのは、年収5万バーツ(約15万円)以下の60歳以上の高齢者。給付方法はタイ政府が導入を進める電子決済システム「ナショナルeペイメント(The National e-Payment)」を通じて行われる。

タイ政府は既に年収10万バーツ以下の18歳以上の国民を対象にナショナルeペイメントシステムへの登録を実施しており、約800万人が登録済み。登録者は政府による社会保障給付、補助金、公共交通機関の無料措置などを受けることができる。

タイ財務省の推計によれば、年収10万バーツ以下で生計を立てる国民は約2,000万人おり、政府の貧困層向け社会保障スキームに参加することができる。

現在、全ての高齢者(60歳以上)が何らかの給付金を受けることができる。60代は月600バーツ、70代は700バーツ、80代は800バーツ、90歳以上は1,000バーツを受け取ることができる。

こうした高齢者向けの社会保障給付予算は年間600億バーツで、2024年までに900億バーツに達する見込み。

また、タイ政府は9月9日付けで、新生児8.5万人を対象に400バーツの補助金を新たにスタートする。

参照元:Additional senior subsidies considered
http://www.bangkokpost.com/business/news/1076328/additional-senior-subsidies-considered

提供:The Povertist

Ippei TsurugaAuthor: Ippei Tsuruga
The Povertist編集長。国際協力機構(JICA)を経て、国際労働機関(ILO)社会保障政策担当官。開発途上国の貧困問題と貧困層向け社会政策のスペシャリスト。
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