夏休み明け 子どもの自殺や不登校が増えるとき 親に何が出来る? (2016/8/27 JIJICO)
夏休み明け 子どもの自殺が最も増えるとき
年間3万人以上。この数字何か分かりますか?日本の年間の自殺者数です。国際的に見ても非常に多いこの数字。この中には胸が苦しくなりますが、子どもたちの数もカウントされています。
そんな子どもの自殺が最も多くなるのが長期休み明け。その中でも突出して多いのが9月1日、夏休み明けなのです(内閣府調査)。また自殺だけではなく不登校や無気力など、長期休み明けは子ども達にとって何かと変化がある時期です。
子どもの発するサインをいち早く受け取りサポートすることが大切
特に、子どもの自殺に関しては遺書が無い場合が多いため原因が分からない場合も多くあると聞きます。ただ私は自殺問題にしろ、不登校問題にしろ、直接的なきっかけより、目を向けるべきは複雑に絡み合ったその前にあたる準備段階だと思っています。
というのも当たり前ですが、「今から自殺します!」「僕来週から不登校します!」などと表明する子どもはあまり居ません。子どもが人知れず準備段階に入ったそのときに、いち早くそのサインを受取りサポートしてあげられるか?が大切です。
そしてサインを受取る前に大切な事があります。それは「子どもの世界は狭い」という事を忘れない事です。
これは決して子どもを下に見ている訳ではありません。子ども時代というのは、将来大人として活躍するための準備期間。大人にとっては「そんな事気にしなくても…」と信じられないような些細な事でも子どもの世界ではとても「重大な事」「大きな出来事」が沢山あります。まずはその事を理解した上で、子ども達が出すサインを受取ってあげましょう。
その気になるサインですが、食欲減退や荒れる行動、自傷行為など分かりやすいものから
○周りの音に敏感になる
○急に昔の楽しかった思い出ばかりを語り出す
○テレビなどを見なくなる
○写真などを整理したり、大切な物を人にあげる
など気づきにくいものもありますので、普段の行動と比較し、総合的に判断することが重要です。
親として子どもをどうサポートしていくか
また子ども達の悩み・落ち込みの多くは以下の4つから始まる事が多くあります。
「孤立感」どうせ誰も分かってくれない・助けてくれない
「無価値観」私なんか居なくても構わない
「怒りの未処理」強い怒りの排除ができないままでいる
「時間の思い込み」苦しい状況が一生続くという思い込み
から心理的視野狭窄に陥り、引きこもったり、最悪には自殺以外考えられない心理を持ってしまいます。
子どもからのサインを受取った場合は、この4つも頭に入れながら、
・説得ではなく話をただただ聴いてあげる事
・逆に親が学生時代の辛かった想い出をただただ話し聴いてもらう事
・家庭ではお手伝いをしてもらいながら共助の感覚を育てる事
なども効果があると思います。
ただ、子どもは親に心配かけたくない想いから、なかなか話さない場合もあるかもしれません。その時こそ、第3者のカウンセラーや電話相談「いのちの電話」や「チャイルドライン」の出番です。あなたの気もちに寄り添ってくれる存在が居る事をそっと教えてあげる事も、子ども達を守る事に繋がるのではないでしょうか?私もいつでもお子さんの話を聴ける準備をしておきますね。
- 関連記事
- 海洋人材の育成に向けて、国際シンポ開催
- 最近増加傾向子どもの睡眠障害 症状と対処法について
- 学校になじめない子どもはどこへ―インタビュー特集 「ROCKET」(上)
- 貧困格差があっても子どもを希望の進路に進ませるには?
- 子どもたちの憧れと自己肯定感を育む教育