東京消防庁不搬送での認知症遺族への救急記録拒否 (2016/4/20 認知症ねっと)
不搬送により死亡した認知症遺族に救急記録の交付を拒否
平成28年4月4日、東京都中野区にて不搬送により死亡した認知症男性遺族に対し、東京消防庁が救急記録の交付を拒否していることが判明した。
なお、現在20の政令市のうち19市の消防部局にて救急記録の写しも提供されている。
開示拒否の理由は死者のプライバシー保護
発端は、男性が平成26年8月19日に横浜市にあるデイサービス施設から行方が分からなくなり、翌々日の21日にJR中野区駅近隣路上にて倒れていた。そして救急隊が駆けつけたものの、本人が拒否したとして搬送されず死亡してしまったことによる。
そこで遺族である長女は、個人情報保護条例により開示請求をしたのだが、東京消防庁に却下されてしまい却下取り消し請求も東京都により棄却されたのだ。
一方、東京消防庁担当者はその理由として、提供した用紙が万が一第3者の手に渡ってしまった場合、死者のプライバシーが損なわれるからとしている。
本年4月より死者に関する個人情報の提供基準運用開始
この1件を受け東京都は、死者に関する個人情報の提供基準を本年の3月に作成し、4月から運用を開始した。
これにより、先ほどの男性遺族の長女も救急記録の閲覧のみ認められる予定である。
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