認知症予防に効果的な歩幅が測れる腕時計を開発 (2016/2/7 認知症ねっと)
歩幅が測れる腕時計「グルス」
株式会社インテックは、歩行時の歩幅が測れるウォーキングウォッチ「GRUS(グルス)」を、2月上旬より販売開始すると発表した。
「グルス」は、東京都健康長寿医療センター研究所の医学博士谷口優氏監修のもとに開発された腕時計で、歩行時の歩幅を計測し、4段階で評価する。自分の歩幅を知り、日常的に「広い歩幅」を意識することで、認知症の予防に役立てる。
歩幅が狭い人は広い人の3.4倍のリスク!
谷口氏が2013年に発表した研究結果によると、赤血球数、HDLコレステロール値、アルブミン値など血液のバイオマーカーが認知機能低下に関連し、歩幅が狭いことも認知機能低下につながることが明らかとなった。
同研究所では、認知症が疑われる人を除いた70歳以上の666人を対象に、約3年間の追跡調査をおこなった。その結果、歩幅が狭い人は広い人に比べて、3.4倍も認知機能低下のリスクが高いことがわかった。女性の場合は、さらにそのリスクが5.8倍となった。
認知機能の低下は、脳の中で発生する小さな異変に起因するとされ、その結果脳と足にスムーズな情報伝達がおこなわれなくなり、歩幅が狭くなるといわれている。歩幅が狭い人は、将来的に認知症を発生する可能性が高いということになる。
歩幅の年代別目標値データを搭載
「グルス」は、時刻・歩数・歩幅・計測・記録の5つの機能を備えた腕時計で、自分の歩幅を把握し、歩幅を意識的に広げるウォーキングに役立てることができる。研究データをもとに開発された歩幅の年代別目標値も搭載。
性別や年齢、体格などで異なるが、おおむね「65cm」以上が広い歩幅とされており、横断歩道の白線を踏まずにまたいで歩ければ、歩幅が広いといえるようだ。
日頃から自身の歩幅を把握し、より広い歩幅で歩く努力を続けることが、将来的な認知症予防につながるのかもしれない。
(画像はプレスリリースより)