熱海市「火花」のロケ地を誘致、Netflixで全世界へ配信!! (2015/11/11 政治山)
静岡県熱海市で7日、日本政策学校による政策立案コンテストが開催された。同コンテストは、斎藤栄熱海市長に対して市の政策を提案するという内容で、実現性があれば採用される可能性もあるという。
基調講演を行った斎藤市長は、「良い政策とは構造的課題を解決するための、具体的で採算性のある内容でなくてはならない」と述べ、市で取り組んでいる「ADさんいらっしゃい」というロケ誘致の取り組みを紹介した。担当職員は携帯番号を同市ホームページに公開して24時間体制で対応している。その成果もあって年間111回のロケ誘致に成功し観光客も増加。芥川賞を受賞した又吉直樹氏の「火花」のロケ誘致にも成功し、11月3日~5日に約500人規模のエキストラを募集し大規模なロケが行われた。来春にはアメリカの動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」で全世界に配信される予定だ。
次に日本政策学校が「人口・観光・産業・教育・医療」5つのチームに分かれて市長へ政策提案。生徒たちは6月の熱海合宿で市長から話を聞き、街で見聞きし熱海市が抱える課題や可能性を題材として政策を提案した。審査委員の講評を紹介(一部)すると以下の通り。
永久寿夫氏(株式会社PHP研究所 専務取締役)
「政策を考える上で今の人口構成が将来どの様に変化するのか、その結果、地域社会にどんな問題が生じて税制がいくら変化するのかを予測した上で、効果的な解決策としての打ち手を考えなくてはいけない」
斎藤栄氏(静岡県熱海市長)
「行政と民間は役割分担が必要で、官の役割は規制の強化や緩和などの制度づくり。民間の役割は、観光客の満足度を高めるサービス品質の向上。政策としてあれもこれもやりたくなるが、行政に入る税収はこれから減るわけなので、事業を始める時に必要な予算と効果を細かくシュミレーションする必要がある」
金野索一氏(日本政策学校学長)
「産業チームが提案した『ドローンの政策』に関して、現在注目されている分野だがブレイクスルーには規制の緩和が必要と言われている、熱海にドローン産業を誘致するなど一過性ではなく、基幹的な産業をつくるような提案ができると面白い。実証実験として熱海を使えるといいのではないか」
取材:立石理郎(政治山記者)