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ゲストが紹介する本を元に濃密な議論~第1回「Reading for Change」開催 (2014/9/30 有限責任事業組合 政策支援 細川甚孝氏)

 政治・経済・社会の分野で活躍されている各界のトップランナーのガイドで書籍をひも解き、確実に「社会を変える」ための方法と効果的な動き方について具体的な実践論を探っていく「Reading for Change~社会を変える読書会」が27日、水道橋にある産学社で第1回が開催されました。東京都港区議会議員の橫尾俊成、産学社の末澤寧史、政策支援合同会社の細川甚孝、3氏によるコラボレーション企画です。社会活動からビジネスまで効く、少人数ならではのとことんディープな読書会。第1回は社会学者の開沼博氏をゲストに迎え、「開沼博さんと読む『日本の変わらなさ』」を開催しました。発起人の1人である細川氏のレポートをお届けします。

 この読書会の特徴は、1冊の本を精読するのではなく、ゲストが紹介した5冊の本について議論することです。今回の5冊は以下の通り。

<課題図書>
○事例
(1)開沼博『漂白される社会』:新たな貧困、情報化、国際化。日本の来し方行く末
(2)本田哲也・田端信太郎『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』:いま人を動かす方法と事例
○考え方
(3)佐藤栄佐久・開沼博『地方の論理』:日本の地域社会が置かれてきた状況、これから向かうべき道
(4)開沼博『フクシマの正義「日本の変わらなさ」との闘い』:なぜ社会は変わらないのか、何が必要なのか
(5)宮津大輔『現代アート経済学』:人・企業よりも寿命の長いアートと社会の関係から考える地域の見せ方
今回の課題図書

今回の課題図書

 今回も、政治やNPO、メディア関係の方を中心とした、少人数での中身の濃い内容でした。

 議論の中核となったのは、いかにして「敵を味方に変えるのか」と「悲劇を喜びの物語へと変えていくのか」についての答えをどう考えるのかというものでした。

 これまでの運動の形は結論ありきで、自分の外に敵をつくることで問題の「ガン」を発見した気になり、それを叩き潰そうとするポーズさえ取れば問題を解決できるもの、またできたものとすることが多く、これは現在の支配・被支配の入れ子構造が再生する中で、問題構造そのものの解決はされないのではないか、という対話がなされました。今後は、実証をベースにしながら、いかに「リアル」を伝え、自由でクリエイティブな新しい中間組織、もしくは既存の組織のブラッシュアップが必要かという議論が展開されました。

 次回は、10月は「コミュニティ・オーガナイジング」をテーマに開催する予定です。

開沼博氏(左から2人目)を中心に、議論する参加者の皆さん

開沼博氏(左から2人目)を中心に、議論する参加者の皆さん

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社会を変えるディープな読書会「Reading for Change」開催(2014/7/23)

細川甚孝氏細川甚孝(ほそかわ・しげのり):有限責任事業組合 政策支援 代表組合員
2009年、早稲田大学大学院公共経営研究科修了(公共経営学修士)。2000年前後から自治体などの総合計画、行政改革などのコンサルティングに携わる。土木設計、大学機関、広告代理店などでそれぞれの持ち味を活かしたプランニング・コンサルティングを経験。2010年ごろから、活動範囲も政治・政策までに広げ、現在全国規模で活動中。
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