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社会を変えるディープな読書会「Reading for Change」開催 (2014/7/23 有限責任事業組合 政策支援 細川甚孝氏)

 政治・経済・社会の分野で活躍されている各界のトップランナーのガイドで書籍をひも解き、確実に「社会を変える」ための方法と効果的な動き方について具体的な実践論を探っていく「Reading for Change~社会を変える読書会」が19日、高田馬場にあるCase Shinjukuで始まりました。東京都港区議会議員の橫尾俊成、産学社の末澤寧史、合同会社政策支援の細川甚孝、3氏によるコラボレーション企画です。社会活動からビジネスまで効く、少人数ならではのとことんディープな読書会。第ゼロ回は、本編に入る前のプレ回として、発起人の2人が、読書からはじめる多数派のつくり方を議論しました。発起人の1人である細川氏のレポートをお届けします。

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 集団的自衛権の議論や運動の広がり、そして結果を見るにつけ、「政治の重要な物事を決めるプロセスに、なかなか自分たちの声が反映されない」とモヤモヤしている人は多いのではないのでしょうか。何か大きな流れの中で、「抗おうにも抗えきれない」「いくらSNSで訴えたり、デモをしたりしても大きくは動かない」「しょせん少数派の意見は伝わらない」と諦めてしまっている人も多いのではないでしょうか。しかし、いつの時代も社会を変え、生活を良くするきっかけは少数派の動きにあり、そこから新しい多数派や変革が生まれてきました。大切なのは継続性と辛抱強さ、それに小さくても“効果的な”アクションの積み重ねだったりします。

 そこで、Case Shinjukuにおいて7月19日に、次の5つの文献・論文を資料として、多数派の作り方などについて、細川をスピーカー、橫尾氏をファシリテーターに読書会を開催しました。
<課題図書>
・PCMガイドブック(pdfファイル)
・リーダーシップ・オーガナイジング・アクション(pdfファイル)
・久繁 哲之介『地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか?』(ちくま新書)2010
・山崎 亮『コミュニティデザインの時代-自分たちで「まち」をつくる』(中公新書)2012
・横尾俊成『「社会を変える」のはじめかた-僕らがほしい未来を手にする6つの方法』(産学社)2013

 議論としては、現状のいわゆるワークショップ的手法での社会課題解消の困難さが指摘されました。そこで、コミュニティ・オーガナイジング的手法における自身のストーリーを語って聞き手の共感を呼び(Story of Self)、聞き手と自分自身が共有する価値観や経験、“私たち”のストーリーを語ることで聞き手との一体感を創り出し(Story of Us)、今やらなければ社会は変わらない、いつやるのかというストーリー(Story of Now)を語ることで共に行動する仲間を増やすというパブリック・ナラティブは、無関心層を巻き込んでいく手法としては参考になるのではないか。また、課題分析として、中心課題を設定した上でのPCM手法における課題ツリー、仮説ツリー的手法が精緻さがヒントになるのではないか。そして、運動・活動の事実をベースとした、モニタリングの大事さ、資金調達の手法確立の必要性が議論されました。

 結論としては、課題解決には、アジェンダセッティング、問いの立て方がすごく大事。そのための幅広い戦略の必要性、まちづくりに対する「いいね!」をいかに増やすのかが大事というまとめがされました。

 次回以降(9月を想定)は、コミュニティをキーワードにして、各種著名人を招聘(しょうへい)し、読書を中心とした議論の場を始めます。興味のある方は、ぜひご参加ください。

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イベント情報「読書からはじめる、多数派のつくりかた」

細川甚孝氏細川甚孝(ほそかわ・しげのり):有限責任事業組合 政策支援 代表組合員
2009年、早稲田大学大学院公共経営研究科修了(公共経営学修士)。2000年前後から自治体などの総合計画、行政改革などのコンサルティングに携わる。土木設計、大学機関、広告代理店などでそれぞれの持ち味を活かしたプランニング・コンサルティングを経験。2010年ごろから、活動範囲も政治・政策までに広げ、現在全国規模で活動中。
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