[用語解説]政党
太陽の党復活!田母神新党の政党要件 (2014/9/24 政治山)
今年2月の東京都知事選に立候補し落選したものの61万票を獲得した、元航空幕僚長の田母神俊雄氏が、近く新党を設立する意向であることが報じられています。この新党には、西村真悟衆院議員(無所属)も参加を表明しているとのことですが、他に合流する議員は名乗りを上げていません。果たして、政党としての要件を満たすことはできるのでしょうか。
「国会議員5人」だけが政党要件ではない
公職選挙法や政治資金規正法では、政党として認められるための要件が下表の通り示されています。田母神氏や西村氏に同調する国会議員が複数名いるかもしれませんが、国会議員が5人揃う以外にも方法があります。
- (1)所属国会議員が5人以上
- (2)所属国会議員が1人以上、かつ、次のいずれかの選挙における全国を通じた得票率が2%以上のもの
- ・前回の衆議院議員総選挙(小選挙区選挙又は比例代表選挙)
- ・前回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)
- ・前々回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)
維新と合流した太陽の党は解散していない?
田母神氏が新党を設立するには西村氏を含めて5人の国会議員を集める必要がありますが、政党要件を満たしている政治団体があって、それを用いることができれば田母神氏と西村氏の2人でも政党として活動ができます。
例えば、2010年の参院選で123万票余りを獲得した「たちあがれ日本」は得票率が2.11%と政党要件を満たしており、太陽の党に改称した後、日本維新の会と合流しましたが、政治資金規正法上は存続しています。
つまり、かつて西村氏が所属した太陽の党(旧たちあがれ日本)内で調整が付けば、(1)所属国会議員1人、(2)前々回の参院選の得票率2%以上で、実質的な新党の設立が可能ということになります。
野党の離合集散で情勢が目まぐるしく変わりますが、政治山では今後もこれらの動きを注視していきます。
- <著者> 市ノ澤 充
- 株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー シニアマネジャー
政策シンクタンク、国会議員秘書、選挙コンサルを経て、2011年株式会社パイプドビッツ入社。政治と選挙のプラットフォーム「政治山」の運営に携わるとともにネット選挙やネット投票の研究を行う。政治と有権者の距離を縮め、新しいコミュニケーションのあり方を提案するための講演活動も実施している。
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