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情報はみんなのもの、地方議会にも広がるオープンデータの推進 (2014/7/31 政治山)

地方議会をめぐっては、政務活動費の不明朗な支出など、不透明な一面が改めて問題視されています。その一方で、透明性の向上を目指して、オープンデータを推進する議会も見られるようになっています。地方議会に広がるオープンデータの推進について東京大学大学院情報学環交流研究員の本田正美氏に伺いました。

流山市議会HP 議会オープンデータトライアル

流山市議会HP 議会オープンデータトライアル

オープンデータとは何か?

――オープンデータとは何を意味するのでしょうか?

「『誰でも自由に使えるデータ』というのがオープンデータの簡単な定義です。『オープンデータの推進』と言うときには、それは『組織が保有するデータを二次利用が容易な形で公開すること』を意味しています。政府の保有するデータを公開することを指すことも多いのですが、政府も含めて様々な組織がデータを公開し、それを様々な人が様々な用途で使い、行政の効率化、経済活動の活性化に進む事が期待されています」

――オープンデータという言葉を最近よく耳にするようになりましたが、どのようなきっかけで始まった取り組みでしょうか?

「大きなきっかけとして、オバマ政権の誕生によってアメリカで推進されることになったオープンガバメントの取り組みがあります。ICTの積極的な活用により大統領選を勝ち抜いたとされるオバマ大統領は、就任直後からICTを活用して『透明性の向上』『国民参加の拡大』『官民協働の促進』を図るオープンガバメントの取り組みに注力してきました。その一環として注目を集めた取り組みがオープンデータの推進です」

――オープンガバメントの一環としてのオープンデータの推進ということですね。

「オバマ政権における主要な取り組みとして、政府が保有するデータを公開するdata.gov(http://www.data.gov/)の開設があげられます。この取り組みは日本政府にも参考にされ、日本ではdata.go.jp(http://www.data.go.jp/)が開設されています。これがオープンデータの代表的な取り組みとされています」

地方議会の代表例「みんなでつくる流山市」

――日本政府でオープンデータの取り組みがなされているということですが、それが地方議会でも広がっているということでしょうか?

「そうです。自治体としては福井県の鯖江市がオープンデータ推進の注目を集めていますが、地方議会における推進の代表例とされるのが千葉県流山市議会です。流山市議会は議会改革の先進議会として知られている議会ですが、オープンデータの推進でも他議会に先んじています」

――流山市議会の取り組みについて解説をお願いします。

「流山市議会はオープンデータトライアルとして、議会に関するデータの公開を進めています。詳しくは流山市議会のWebサイト(http://www.nagareyamagikai.jp/opendata/)に書かれています。その中で次のようなことが書かれています。

・これまでは「自分の情報」だったものが「みんなの情報」になります。
・みんなが同じ情報を共有してはじめて「みんなでつくる流山市」がスタートします。
 (流山市議会Webサイトより引用 ※URLは上記と同じ)

昨今の問題になっている政務活動費に関する情報は、議会の情報として『自分の情報』のごとく囲い込まれ、市民に向けて十分に公開されていなかった。これが地方議会における不透明さの実態でしょう。流山市議会は、議会の情報を議会で囲い込まずに積極的に公開して『みんなの情報』にする。『みんなの情報』にすることにより議会の活動の透明性を向上させ、それを通じて市民と共に流山市をつくっていこうとしているのです」

――実際にどのようなデータが公開されているのでしょうか?

「現在は、議会に関する基本データが公開されています。具体的には、定例会・臨時会審議結果、議員紹介、議会公式ホームページRSS・Atomが公開されています(http://www.nagareyamagikai.jp/bunya/basic-data/)。その他に、流山市役所のWebサイト上では、各種データやそのデータを活用するアプリも紹介されています(http://www.city.nagareyama.chiba.jp/10763/index.html)。議会に関しては、政務活動費に関するデータなど、まだまだオープンにすべきデータがあります。今後は、議会と行政が連携して保有しているデータのオープンデータ化が推進されていくはずです」

本田正美氏【取材協力】
東京大学大学院情報学環交流研究員 本田正美

1978年生まれ。東京大学法学部卒。2013年、東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院情報学環交流研究員。専門は、社会情報学・行政学。特に電子政府に関する研究を中心に、情報社会における行政・市民・議会の関係のあり方について研究を行っている。共著本に『市民が主役の自治リノベーション』(ぎょうせい刊)がある。
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