【経済】ついにドコモがiPhone販売 しかし海外の注目は5cと中国市場へ NewSphere(ニュースフィア) 2013年9月12日
米アップルは8日、iPhoneの新型2機種、先進的な最新版「5s」と、5色展開のカラフルな低価格版「5c」を発表した。日本の携帯最大手NTTドコモにも供給し、日米で20日から販売を開始。「5c」は13日から先行予約を受け付けるという。
指紋認証機能を導入した最上位機種「5s」は、旧機種からのアップグレード版となる。プラスチック製背面の廉価版「5c」は、新興国での顧客拡大がねらいとみられる。
日本での価格は未定だが、米国では2年契約で、「5s」は199ドルから、「5c」は99ドルからとなる。「5c」は米国で通信会社との契約なしの場合は550ドルとなる。
これまで「iPhone効果」でドコモから市場シェアを奪ってきたソフトバンクモバイルとKDDIにとっては逆風となる。
低価格版の勝算は? アップルは、10月に7億台目の「iOS」デバイスを出荷する見込みだとしている。
同社は低価格版「5c」投入で、グーグルのアンドロイドから失った市場シェアを取り戻そうとしているとUSAトゥデイ紙は報じた。
同社はこれまで、最先端技術を搭載した、割増の価格戦略をとってきた。しかし近年は、アンドロイド搭載のサムスンやレノボなどの低価格のスマートフォンに市場シェアを奪われてきた。2013年4~6月期、アンドロイド搭載端末の合計出荷台数は1億8740万台だが、iPhoneの出荷台数は3120万台だった。
フォレスター・リサーチのサラ・ロットマン・エップス氏は「成長と収益性との危うい綱渡りを行うことになるだろう」と、低価格版「5c」のリスクを指摘したとフィナンシャル・タイムズ紙は報じた。またUSAトゥデイ紙によると、同氏は、「5s」の指紋認証機能がアップルファンに受けて売れる、「5c」はアンドロイドと比較されてあまり売れない、との見解を示したという。
アップル、ドコモのねらい アップルは、先進国でiPhone販売を拒否していた携帯最大手のドコモに供給することで、新規顧客を大量に獲得したい考えだ。
ドコモの契約者数は6000万人以上で、日本総人口の1億2760万人の約半数となる。同じく今回からiPhone販売を開始するとみられる、中国最大手の中国移動(チャイナ・モバイル)の契約者数7億4500万人と比べると少ないものの、ドコモの獲得は大きいとマック・オブザーバーは報じた。
一方、ドコモのねらいは明らかに、同社のアプリやビデオ、音楽エコシステムを維持したいためだとマック・オブザーバーは指摘した。