[つくば市]所有者と利用者を結ぶ「森林バンク制度」を導入 (2025/10/9 株式会社ぎょうせい)
茨城県つくば市(25万5200人)は、森林所有者と森林を活用したい人とを結びつける「つくば市森林バンク制度」を導入した。同市には、筑波山をはじめ全域に大小さまざまな森林が点在しているが、森林所有者の高齢化等で維持管理が困難となった結果、住宅街や畑、道路沿いの森林が荒廃し、景観の悪化や不法投棄の増加、枝や雑草の越境による市民生活への悪影響などの問題が生じている。そこで、森林の所有者と利用希望者を結びつけ、森林を市民の活動の場などとして活用することで維持管理を図り、森林の保全につなげるのがねらい。
具体的には、①貸出し等を希望する森林所有者は市に申し込み、市は所有者の森林の所在地や面積、整備状況、利用条件などの情報を「森林バンク台帳」に登録、②森林利用希望者は森林バンク利用者登録を市に申し込み、制度の趣旨を理解して森林の借り受け期間中に森林の維持管理ができると市が認めれば「森林バンク利用者台帳」に登録、③利用希望者が森林バンク台帳から活用したい森林を市に伝えると、市は所有者に仲介し、④所有者は利用条件などを提示し、所有者・利用希望者間で交渉して合意すれば、使用貸借契約等を結んで利用を開始――というのが流れ。刈払機取扱作業者安全衛生講習等の受講修了者を対象に「森林バンクサポーター」として登録し、所有者や利用者からの委託で下草刈りを行う仕組みも導入した。
市は所有者と利用希望者の使用貸借等の契約には直接関与しない。一方、森林の所有者と利用者には草刈機等の購入費や機材レンタル料、森林バンクサポーター等への委託料などへの補助金を交付する。
25年7月1日時点で登録している所有者は41人、森林154筆、利用希望者は7人。市は制度に関する説明会や交流会を定期的に開催して制度の周知を図っている。
(月刊「ガバナンス」2025年8月号・DATA BANK 2025より抜粋)
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