[千葉県]水稲生育予測システム「でるた」の運用を開始 (2023/9/25 株式会社ぎょうせい)
千葉県(631万900人)は、23年4月、水稲の生育を予測し、病害虫防除など稲の生育状況に応じた適切な作業時期の目安が分かる水稲生育予測システム「でるた」の運用を開始した。スマート農業推進の一環として県が開発したもので、「穂が『出る田』んぼが予測できる」ことから、「でるた」と命名された。「でるた」は、WEBアプリであるため、パソコン、スマートフォンいずれの端末でも利用が可能であり、利用に際しての登録は不要。利用料も無料となっている。
対象となる稲の品種は、県が育成した「粒すけ」をはじめ、県内で生産されている主要6 品種。「アメダス地点(県内10か所)」「移植日(苗を植えた日)」「品種」の3項目を選択するだけで、誰でも簡単に生育状況を予測することができる。
22年4月より実際の運用を想定した運用試験を実施したところ1万3000件を超えるアクセスがあり、県ではシステムの実用性や運用方法などが確認できたとしている。
また、職員による現地確認では、調査した約80%の水田において、予測された出穂期は実測値の前後3日以内に収まり、アンケート結果でも「予測の精度に問題がない」「使いやすい」「継続利用したい」など肯定的な意見が多数を占めているという。
近年、水稲の生産については、気候変動の影響から、追肥や斑点米カメムシ類の防除対策などの作業の適期の判断が難しくなってきたことに加え、経営の大規模化により管理する水田が増えている。こうした背景を踏まえて県では、簡単かつ正確に生育状況を予測できるシステムの開発に取り組むこととなった。
こうした経緯を経て運用フェーズへと至ることのできた「でるた」は、県の独自開発のため、開発や運用にかかるコストが低く抑えられている。
(月刊「ガバナンス」2023年8月号・DATA BANK 2023より抜粋)
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