[福岡県]生活困窮世帯の子どもの大学進学を支援 (2020/2/8 株式会社ぎょうせい)
福岡県(513万1300人)は、生活困窮世帯の子どもの大学進学を支援するため、「大学進学実現アシスト事業」を実施している。県では、子どもの貧困対策として関係部局が連携し、教育、生活、保護者の就労、経済的支援を柱とした施策を推進しており、その一環として開始した。県の生活保護世帯の大学・短大への進学率は全世帯の進学率に比べて低い傾向にあり、また、学歴による収入の差もあるのが現状。そこで、経済的な要因で子どもが大学進学を断念したり、保護者が子どもの進学に不安を感じることのないよう継続的に支援することで、貧困の世代間連鎖を断ち切るのがねらい。
支援対象者は、生活困窮者自立支援制度において県が実施主体となっている郡部(町村)に居住する、生活保護世帯を含む生活困窮世帯の中学3年生から高校3年生までの子どもとその保護者。本人の進学への意欲向上や、経済的な不安の払拭などを図って、大学進学に向けた後押しをする。
具体的には、(1)大学進学に向けた相談支援として、相談支援員が対象世帯を訪問し対象者の状況に応じて、進路についての悩み相談、大学・短大の情報提供、大学進学に向けた学習計画の作成といった相談支援を無料で実施、(2)教材等の提供として、支援を行う上で進学に資すると認められる場合、学校の授業とは別に必要となる参考書や問題集、模擬試験への参加の提供を行う。教材等の提供は現物給付で、1人当たり年額3万円相当を上限としている。
事業は、民間のトライグループに業務委託して進めている。
(月刊「ガバナンス」2020年1月号・DATA BANK2020)
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