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NYの視点:メルケル独首相、G7での批判けん制か 株式会社フィスコ 2017年5月23日
G7(先進7か国)首脳会議の開催を今週後半に控え、ドイツのメルケル首相は、「ユーロが弱すぎる」と、ユーロ安牽制発言を行った。G7首脳会議は26−27日にかけてイタリア、シシリーで開催される。
メルケル首相は、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和を背景とするユーロ安が域内の輸出品を割り安にし、貿易黒字に繋がっていると指摘した。また、原油安も貿易黒字の要因として挙げた。内需はすでに景気を牽引しているが、国内投資を一段と拡大することが可能だとした。
米国財務省は4月中旬に公表した半期に一度議会に提出する為替政策報告の中で、通貨操作国にあてはまる国はなかったと報告。しかし、貿易黒字を計上しているドイツを通貨監督リストに含めた。当局が通貨安を目指した金融政策を実施していると、トランプ大統領もたびたび、中国、日本などとともにドイツを非難。2016年度米国の対ドイツの貿易赤字は650億ドルに達した。
メルケル首相のユーロ安是正発言は、米国などからの非難を回避するためとも考えられる。G7では、貿易、保護主義が主要議題になると見られている。G7後はユーロ買いが一段落する可能性もある。
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