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NYの視点:今週の注目は日米首脳会談、トランプ米大統領インタビュー  株式会社フィスコ 2017年2月6日

関連ワード : アメリカ 金融経済 

短期投機、投資家の円のネットポジションは前週に続きさらに減少した。

今週は、引き続きトランプ政権の動きを睨んだ展開が続く。ムニューチン財務長官候補を含めて、民主党の反発で、トランプ政権の閣僚人事承認が滞っており、その動向が注目される。中東やアフリカの7か国の人の入国を一時的に禁止することなどを命じた大統領令については、世界経済の成長を妨げるとの悲観的見方が広がった。しかし、今後は市場が待ち望んでいる、景気を押し上げる措置が徐々に発表される可能性もあり、成長懸念も後退しドル買いが再燃する可能性がある。トランプ大統領は3日、ドッド・フランク法関連の大統領令に署名した。これは金融規制を緩和する最初のステップとなる。さらに、税制改革法案を近く発表することも明らかにした。医療制度関連法案は、それ以前に発表する可能性もあるという。FOXTVによるトランプ米大統領のインタビューが5日のスーパーボール前に放映される予定で、注目が集まる。

さらに、10日には日米首脳会談を控える。トランプ大統領は中国や日本を名指しで「資金供給と通貨安への誘導で有利になっている」と批判。選挙中には中国を通貨操作国に認定する意向を示していたため、日本も標的になるのではとの懸念が残る。トランプ大統領の批判に対し、安倍首相は日本の金融政策が円安誘導であるとするトランプ大統領の批判は「当たらない」と反論。報道によると、日本政府は投資や米国内での雇用の創出でトランプ政権に協力する意向を伝える模様。日本は70万人規模の米国雇用創出を支援する準備があるという。2国間の貿易に関しては、通貨問題も含めて協議されると見られる。

米政府は、弾道ミサイルの発射実験を受けて、対イラン追加制裁を発表。トランプ米大統領は2日、イランへの対抗措置について「全ての選択肢を排除しない」と強気の姿勢。中東問題からも目が離せない。また、英国の英下院は、EU離脱を通知する権限をメイ氏に与える法案を審議する第2読会を開き可決。8日にも最終的な採決を行う見通し。下院通過後は上院に送られる。政府は3月7日までに、上院での審議を終えて法案を成立させ、EU首脳会議が開かれる3月9日に離脱を正式通知する方針だと報じられている。

米国の1月雇用統計では、労働市場のスラック(需給のたるみ)の存続が明らかになった。雇用が順調に増えている一方、賃金の伸びが追い付かず金融政策の限界や構造的な問題が指摘されている。トランプ政権が掲げている減税や財政拡大で米国景気が支援されることが一層期待される。JOLT求人件数で、さらに労働市場のたるみ具合を確認する。3月の利上げ観測も後退。2016年初め、連邦準備制度理事会(FRB)は利上げが4回と見ていたが結局1回に留まった。本年の利上げも3回と見られていたが、一部エコノミストは2回に下方修正している。しかし、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁はブルームバーグとのインタビューで「2017年3回の利上げは理にかなっている」としたほか、経済が失速することは懸念しておらず、3月の利上げの論拠もいくらか見られると楽観的見解を示した。次回の利上げは引き続き経済指標次第となりそうだ。

■今週の主な注目イベント

●米国
5日:トランプ米大統領、FOX TVとのインタビュー
6日:ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演
7日:12月貿易収支:予想−450億ドル、12月JOLT求人:予想558.8万人(11月552.2万人)
9日:ブラード・セントルイス連銀総裁が講演、エバンス・シカゴ連銀総裁講演
10日:1月輸入物価指数:予想前年比+3.1%(12月+1.8%)

●日本
10日:日米首脳会談

●英国
8日:EU離脱を通知する権限をメイ氏に与える法案を最終的に採決

●地政学的リスク
ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
トルコ

【IMM】

*円
ネット・円売り持ち:-58,331(1/31)←円売り持ち:-66,840(1/24)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)

*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:-45,713(1/31)←ユーロ売り持ち:-52,348(1/24)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)

*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:-61,772(1/31)←ポンド売り持ち-63,172(1/24)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)

*スイスフラン
ネット・スイスフラン売り持ち:-17,140(1/31)←スイスフラン売り持ち:-13,644(1/24)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)

*加ドル
ネット・加ドル買い持ち:+3,472(1/31)←加ドル買い持ち:+2,519(1/24))(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)

*豪ドル
ネット・豪ドル買い持ち:+12056(1/31)←豪ドル買い持ち:+10294(1/24)

<SK>

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株式会社フィスコは、投資支援サービス等を提供するプロフェッショナル集団です。2013年4月19日に、インターネットを使った選挙活動を解禁する公職選挙法の改正に伴う新たなコンテンツ提供を発表し、各政治家の発言要約や影響分析のコンテンツ提供を開始しており、その付加価値向上に取り組んでいます。
関連ワード : アメリカ 金融経済