国民年金の納付が便利になるのはよいが、根本的な改革のほうが大事  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップ    >   記事    >   フィスコ    >   国民年金の納付が便利になるのはよいが、根本的な改革のほうが大事

国民年金の納付が便利になるのはよいが、根本的な改革のほうが大事  株式会社フィスコ 2014年6月10日

関連ワード : 年金 

大手コンビニエンスストア11社が加盟する日本フランチャイズチェーン協会(FC協)は9日、東京都豊島区の学習院大学内のコンビニで、国民年金納付ポスターの掲示イベントを開催した。

同協会では今月中旬から全国約5万店のコンビニの店頭に国民年金納付啓発ポスターを張り、国民年金の保険料をコンビニでも支払えることをアピールする。

イベントでは、FC協会副会長の井阪隆一セブン-イレブン・ジャパン社長が「銀行窓口が減少している中、コンビニは年金支払いでも生活の拠点になっている」と語った。また、小泉進次郎内閣府大臣政務官、高鳥修一厚生労働大臣政務官が参加し、学生に国民年金の納付率向上を訴え、年金の必要性などについて学生たちと意見交換した。

政府は、国民年金保険料の納付率が低い若い世代に国民年金が遺族年金や障害年金の給付など老後のためだけのものではないことをアピールすることで納付率の向上につなげたい考えだ。

1991年に85.7%あった国民年金保険料の納付率は、年金記録問題をきっかけに年金不信が強まったことや景気悪化により低下傾向が続いている。2013年度は4年ぶりに60%台を回復する見通しとなったが、それでも13年4月~14年2月の11カ月分の納付率は60.2%と低迷を続けていて、特に若い世代ほど納付率は低くなっている。また、低所得で保険料の免除が認められた未納者が増えたが、逆に免除者は納付率の計算から除外されるため納付率は上がるので、実際に納付率が上がったとは言えない状況だ。

3日には、厚生労働省が行われる国民年金や厚生年金など年金財政の長期見通し(財政検証)を公表した。5年に1度、経済動向や人口・平均寿命などを反映させ、100年後までの年金水準をチェックするものだが、それによると今の30代以下の基礎年金水準に大きな打撃が出るという結果となった。

国民年金が老後のためだけのものではないとはいっても、やはり保険料の負担をしても将来受け取ることの出来る年金に期待できないとなると、納付する気持ちになれないのも当然だろう。 きちんと納付している人のためにも、納付を呼び掛けるだけでなく、早期に政府の本気の年金制度改革が望まれる。 <YU>

株式会社フィスコ
株式会社フィスコは、投資支援サービス等を提供するプロフェッショナル集団です。2013年4月19日に、インターネットを使った選挙活動を解禁する公職選挙法の改正に伴う新たなコンテンツ提供を発表し、各政治家の発言要約や影響分析のコンテンツ提供を開始しており、その付加価値向上に取り組んでいます。
関連ワード : 年金