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東京都知事選挙2014

東京都知事選挙後にマーケット(為替・株式)はどう動くのか? (2013/12/31 フィスコ)

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政治山が告示直後に実施した「第14回政治山調査『東京都知事選挙に関する意識調査』」では、東京都在住の成人1,113人のうち8割近くの回答者が今回の選挙に「行く・行くつもり」と考えており、重視している政策は「地震・防災対策」「医療・福祉」「東京五輪」ということが分かりました。ここでは、投資支援サービスや情報を提供する株式会社フィスコが、東京都知事選挙後の為替・株式市場が、選挙結果によりどう影響を受けるかを予測・分析しました。

 関連記事:第14回政治山調査「東京都知事選挙に関する意識調査に関する意識調査」 

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都知事選の主要争点は、防災・福祉・東京五輪・原発(エネルギー政策)の4点

inv14_f_img3 アンケート調査結果を基に判断すると、東京都知事選挙の主要争点は、1)地震・防災対策、2)医療・福祉の改善、3)東京五輪への準備、4)原発・エネルギー政策の4点になるとみられる。

 雇用改善と答えた割合が原発・エネルギー政策をやや下回ったのは少々意外であった。雇用環境が明らかに改善しているとは言い切れないが、雇用問題を重要視する一方、東京都で暮らすうえで最も重視することではないかもしれない。

マーケットに大きな影響を与える可能性があるのは、防災とエネルギー政策の2項目

inv14_f_img2 市場関係者の間では、地震・防災対策として東京都が関連する公共事業を推進すれば、一定規模の経済効果があるとの見方が多い。この点について考えた場合、立候補者の中では田母神氏の主張が最も具体的に映る。

 同氏の思想的背景などを度外視すれば、有力候補の一人として注目されてもおかしくない気がする。中小企業のために東京都が仕事を「創る」ことも表明。田母神氏は「東京都の強靭化」を選挙公約にしており、それを実現するための具体的な方法も提示している。

inv14_f_img1 ただし、政権与党の自民(今回実施のアンケートでも支持率は1位)・公明、野党第一党の民主党など大きな組織の支持、応援が無い田母神氏の支持がこれ以上拡大しない場合、東京都知事選挙の主要争点は、やはりエネルギー政策(脱原発・原発ゼロ)の可否となろう。従って、自民・公明が支援する舛添氏と「脱原発」を旗印に掲げる細川氏の二人の争いに絞られることになる。

 「エネルギー政策・脱原発」に対する東京都民の関心が一段と高まった場合は、細川氏が当選する可能性は高まることになりそうだ。舛添氏が提示している選挙公約・主張は東京五輪の準備に注力以外はややあいまいに捉えられる節があり、有権者が興味を持つ目玉となるような政策は用意されていない。同氏が組織票に依存していることは否めず、投票率が高くなった場合、無党派層から支持されるかどうかが微妙な状況となろう。

マーケットは舛添氏勝利を想定 細川氏逆転ならば一時的に株安・円高に展開も

inv14_f_img4_400 現時点では、為替・債券市場は舛添氏勝利を想定しており、細川氏は次点予想となっている。市場関係者の間では、舛添氏の勝利は安倍政権の長期存続の支援要因になるとの見方が多いようだ。舛添氏の勝利は円安・株高の基調が維持されるものと予想する。円安が進行した場合、長期金利はやや上昇する可能性があるが、金利上昇と都知事選挙の結果との因果関係は薄いと思われる。

 ただし、細川氏が勝利した場合、マーケットは安倍政権に対する打撃になると見ており、国内政局の流動化につながるとの声が聞かれている。細川氏が目指す「原発ゼロ・脱原発」で石油・天然ガスの輸入量が増加し、貿易赤字が拡大するとの見方がある。円安進行の要因になると指摘されているが、これについてはエネルギー価格の変動にも左右されそうだ。

 また、株式相場が不安定な動きを見せた場合、為替相場が一時的に円高に振れる可能性はあるが、為替(ドル・円相場)については、米国の金融政策や米国、中国の経済動向がキーポイントになるため、株式市場が一時的に混乱しても円高が一気に加速するとは限らない。

 一方、細川氏勝利の場合、日本のエネルギー政策の大転換につながる可能性があり、その動きによって新たな産業創出への期待が広がるかもしれない。株式市場がこの点に着目すれば、「脱原発・原発ゼロ」は株安材料との懸念は後退するかもしれない。

 なお、細川氏が勝利した場合、東京電力の処遇が注目されることは間違いない。株式市場で東電の破綻処理が警戒される可能性は排除できないが、この問題について現時点で予断を持つことは難しい。

inv14_f_img5_400 一部外資系証券会社では、細川氏が出馬する見込みが高まったタイミングで、「細川氏が都知事選で勝利すると日本株は売り」とのレポートをリリースしていた。とはいえ、現在ではさほど都知事選を警戒する動きは強まっていない。投票率が上昇(無党派層などが投票)しない限りは、舛添氏で決まりとのコンセンサスが強くなっているようだ。

 東京都知事選は上記の理由から、日経平均の大きな手掛かり材料とはならないと見ているが、個別銘柄では原発関連と自然再生エネルギー関連で二極化の動きとなろう。弊社では下記のような銘柄が選挙結果で影響が出ると思われる。原発関連は細川氏勝利で下落に転じると見られる。一方、再生エネルギー関連は細川氏が負けると下落となる可能性が大きい。ただ、再生エネルギーに関しては今後進めていかなくてはならない重要なエネルギー政策との位置付けだ。また、原発関連も、トルコなど海外に輸出する政策が進んでいることなどから、どちらの関連銘柄も下げは瞬間的なものに留まると考える。

■原発関連10銘柄 ■再生エネルギー関連10銘柄
<1983>東芝プラントシステム
<5406>神戸製鋼所
<5631>日本製鋼所
<6331>三菱化工機
<6378>木村化工機
<6466>東亜バルブエンジニアリング
<6501>日立製作所
<6502>東芝
<6641>日新電機
<7011>三菱重工業
<1407>ウエストHD
<1972>三晃金属
<4118>カネカ
<4237>フジプレアム
<4651>サニックス
<5002>昭和シェル石油
<6255>エヌピーシー
<6728>アルバック
<6753>シャープ
<6890>フェローテック
<8007>高島

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