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消費増税による株式市場への影響を探る (2014/4/24 株式会社フィスコ

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 消費増税が8%に引き上げられて約3週間が経過した。増税による影響はどの程度なのかを見極めるにはもうしばらく時間がかかるとの見方で、株式市場は様子見姿勢の強い展開が続いている。

 景気は緩やかな回復基調が続いているものの、駆け込み需要の反動によりこのところ弱い動きもみられると政府は見ており、4月の月例経済報告で景気の基調判断を1年5カ月ぶりに下方修正した。また、3月の消費者心理の指数も4カ月続けて悪化している。

 今回実施した20~70代の女性を対象にしたアンケート結果では、「消費税増税を機に節約した」「節約する予定のものはありますか?」(複数回答)との問いに、「外食40.6%」「食費(外食を除く)35.1%」「ファッション・美容費32.5%」「レジャー娯楽費30.3%」「光熱費26.8%」「日用雑貨24.7%」「特にない23.3%」だった。予想された回答とみられるが、注目されるのは「特にない23.3%」だったことか(図1)。

図1

 前回の消費税率引き上げは1997年。この時も駆け込み消費がみられたが、株式市場については実施後の景気への影響が警戒される格好となり、この年の日経平均は年を通じて弱い動きをみせた。もちろん、アジア通貨危機なども背景にあるが、この影響が警戒されるなか、政府は増税に備えて企業向け減税に加え、2%増税分の5兆円規模の経済対策を策定する。

 しかし、「特にない」との回答をみる限り、昨年からのアベノミクス効果によって景気回復が現れるなか、過去とは若干違いをみせてくる可能性もありそうだ。当然、今回の駆け込み需要とみられる動きにより、自動車メーカーでは軽自動車の売れ行きが好調だった。そのため、軽自動車の反動減は相当出てくると考えられる。一方で、景気回復が顕著に表れている米国などでの需要増や東南アジアなどでの開拓により、市場がみるよりも影響は軽微になる可能性がある。

 その他の消費財についても、日本は少子高齢化で飽和状態とのことから成長の矛先を海外に向けている。株式市場は消費増税による影響が警戒され、年初から調整局面入りしている。ある意味では、調整についても前倒しで進んでいるなか、需給調整が進捗しているとも考えられる。一方、増税後の反動減が警戒されるなか、今回の消費増税は2段階に分かれており10%まで引き上げられるのは2015年10月。反動減の分散化がどういった景気に影響を与えるかは注目されよう。

図2 もう一つ興味深い結果が、「来年(2015年)10月に消費税率が10%に引き上げられることを知っていますか?」との問いに対しては実に75.1%の人が「知っている」と回答していることである。安倍首相は来年10月に予定通り10%にするか、14年7-9月期までの経済情勢を見極め、年内に判断する方針である。日本経済を活性化して増税することが政府の方針。痛みを伴う財政健全化を避けようとすれば、将来的に国債相場の暴落が現実化する恐れがあるとの見方もあるなか、海外投資家の意向を汲むのであれば予定通りに進めてもらいたいところだ(図2)。

消費増税の反動で影響を受けると思われる銘柄群

 自動車については、軽自動車の反動減は避けられないとみられ、海外市場でのシェア増が見込める企業に関心が集まりそうだ。

<7203>トヨタ自動車、<7261>マツダ、<7270>富士重工

 また、電子化が進むなか、「自動ブレーキ」機能を中心とした先進ドライバー支援システム(ADAS)などの標準装備が電子部品メーカーの業績を押し上げる可能性がある。

<7259>アイシン精機、<6929>日本セラミック、<6724>セイコーエプソン、<3105>日清紡ホールディングス

 緩やかな景気回復の影響もあり、ECの普及やクレジットカードを始めとする決済手段の多様化。消費増税によってより、オンライン決済の流れが加速する可能性がある。

<2428>ウェルネット、<3623>ビリングシステム、<3769>GMOペイメントゲートウェイ、<3753>フライトホールディングス、<9928>ミロク情報サービス、<9746>TKC

 新築よりも中古住宅への魅力が高まる。政府は新築重視の住宅政策からストック重視の住宅政策への転換を促進し、2020年までに中古住宅流通・リフォーム市場の規模を倍増する計画。国交省は不動産の売買や賃貸でインターネット取引を解禁することを検討。

<8940>インテリックス、<3250>エー・ディー・ワークス、<3230>スター・マイカ、<6084>オウチーノ、<2120>ネクスト、<8889>アパマンショップホールディングス、<4689>ヤフー、<6054>リブセンス

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