電力自由化スタート
イチから教えて電力自由化!基本情報Q&A (2016/3/9 政治山)
関連ワード : 電力自由化
新年度から電力自由化が始まります。「東京に住んでいれば東京電力」など、これまで自動的に契約していた電気の契約先を自由に選べるのです。しかし、大半の人は「違いも分からないし面倒くさいな」というのが正直なところではないでしょうか。そこで、企画の第1回目は、そもそも電力自由化とは何なのか、Q&Aで解説します。
電力比較サイトでベストなプランが選べる
- Q
- 電力会社の変更は、いつから予約開始なの?
- A
- 2016年1月からなので、すでに予約可能です。
- Q
- 何を基準に選べばいいの?
- A
- 好きな料金プランか事業者を探せばいいのです。各家庭で電気を使用する時間帯や使用量は違いますので、電力比較サイトなどをうまく活用して、ご自身にあったプランを選ぶのがいいでしょう。電気代の節約が大きな判断材料になると思いますが、クリーンエネルギーかどうかを前提に絞り込む人もいます。
ガス会社、ガソリン会社、通信会社…各産業界から新規参入
- Q
- どんな事業者が新規参入するの?
- A
- 小売電気事業者に登録した新規事業者は新電力(PPS)と呼ばれます。主に、ガス販売会社やガソリン(石油)販売会社、通信会社などです。
- Q
- 地域の電力会社はライバルだらけで勝ち目がないのでは?
- A
- ガス会社とはガス料金とのセット割、通信会社とは携帯電話料金とのセット割―という具合に、複数業種の複数業者と手を組んでパック料金を模索しています。
- Q
- ライバル会社と手を組むメリットは?
- A
- 東北電力は東京ガスと業務提携し、中部電力はINPEXと業務提携し、関西電力はKDDIとの業務提携し―各地の電力会社が関東圏に進出しようとしています。東京電力の販売電力量は中部電力の2倍、九州電力の3倍と巨大マーケットなので、電力会社同士でもエリアを越えた競合が始まります。迎え撃つ東電としても合従連衡で魅力的なサービスを揃える必要があるのです。
都市ガスは1年後に自由化
- Q
- 通信だけでなく電力も自由化されるのに、ガスや水道は独占なの?
- A
- 都市ガスも1年後の2017年4月に自由化されます。水道は公衆衛生の要でもあり、水道法第6条2項に「原則として市町村が経営するものとし、市町村以外の者は、給水しようとする区域をその区域に含む市町村の同意を得た場合に限り、水道事業を経営することができる」と定めています。東京の水道水は近年美味しくなったと評判で、東京都水道局はミネラルウォーターとの飲み比べキャンペーンを行っているくらいです。
- Q
- 新電力(PPS)とは?
- A
- 経済産業省の審査を通過して小売電気事業者に登録された事業者です。無断で電気を販売することはできません。
- Q
- 手続きは大変ではないの?
- A
- 事業者へ申し込むだけで、今の電力会社に連絡しなくても切り替えてくれます。
既存の設備を使用するので安定供給
- Q
- 停電の心配はないの?
- A
- 送電線や設備は3月まで契約していた地域の電力会社のものが使われます。新電力の発電量が不足したり、発電設備に異常が起こった場合、地域の電力会社がバックアップ供給するので、不安定になることはありません。
事業者が撤退しても安定供給
- Q
- 契約先の事業者が撤退や倒産したらどうなるの?
- A
- 先日、事業者向けの電力小売を行っていた「日本ロジテック協同組合」が電力事業から撤退すると報じられましたが、少なくとも2020年3月までは、東電など地域の電力会社が電気の供給を実施することが義務付けられています。この場合、地域の電力会社が設定している標準的な料金メニューで供給を受けられます。
- Q
- どの事業者でも品質は同じなの?
- A
- 既存の送配電設備を使うので、どの事業者でも品質は同じです。
工事なし、スマートメーター設置する場合も無料
- Q
- 工事をするの?
- A
- 基本的にはしません。場合によってはスマートメーターを設置しますが、費用は無料です。
- Q
- 検針は誰がするの?
- A
- 電力会社を切り替えても、検針は地域の電力会社が行います。スマートメーターを設置した場合は、原則として現地での検針は要らなくなります。検針データは地域の電力会社から切替先の事業者に提供されます。
年間最大2万円もお得?
- Q
- いくら安くなるの?
- A
- ガスやガソリン、通信費用とのセット割など契約内容により千差万別です。電力比較サイトで家族構成や生活動態(日中と夜間どちらに電気をよく使うかなど)を入力すると、どのサービスがあなたに最もオススメできるかが即座にシミュレーション結果として表示されます。電気代が月1万5,000円程度の家庭だと、年間最大2万円近く節約できるとアピールしている事業者もあります。
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