【社会】日本は「最も信頼できる」とASEAN諸国民が回答 アニメより技術先進国のイメージが奏功か ニュースフィア 2014年5月2日
外務省が、東南アジア諸国連合(ASEAN)7ヶ国(インドネシア・マレーシア・ミャンマー・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナム)を対象とした対日世論調査結果を発表した。調査は2014年3月に、外務省の委託を受けた香港の調査会社が、上記7ヶ国の18歳以上の国民を対象に、オンライン方式で実施。計2144人が回答した。
この調査結果から、東南アジアの国々が、日本に対してとても良いイメージを持っていることが明らかとなった。
【日本は最も信頼できる国】
まず、「これらの11ヶ国のなかでどの国が一番信頼できますか?」というアンケート結果は下記の通り。
1. 日本 33%
2. アメリカ 16%
3. イギリス 6%
4. オーストラリア 5%
5. 中国 5%
6. ニュージーランド 4%
7. ドイツ 3%
8. ロシア 3%
9. 韓国 2%
10. フランス 1%
11. インド 1%
圧倒的に「日本」と答える人が多い。インドネシアでは47%、ベトナムでは46%の人が、「日本が最も信頼出来る国」だと回答している。また9割以上の人々が、自国と日本の関係を「友好的」だと回答している。
【日本への印象】
では、彼らは日本に対してどのような印象を持っているのだろうか?回答数が多い順に、下記の通り。
・技術的に進んだ国
・経済的に進んだ国
・自然の景色が美しい国
・豊かな文化を持つ国
・アニメなどの現代文化を世界に発信している国
科学技術が進んでいるというイメージがもっとも強いようだ。「日本についてもっと知りたい分野は何か?」という質問に対しても、科学技術という回答が一番多かった。
また、日本企業のASEAN諸国への進出に関しても、9割以上が「歓迎する」と回答している。
【東南アジア諸国からの観光客が急増中】
外務省が発表したこれらの対日世論調査結果を見ると、これほどまでに日本に対するイメージがよいものかと少し驚いてしまう。ただ、最近の東南アジア諸国の訪日観光客数を見てみると、頷けるところもある。2013年の訪日観光客数の統計資料(観光局発表)によると、各国とも大幅な伸び率をみせている。
・タイ 約45万4千人 前年比74%増
・シンガポール 約18万9千人 前年比33%増
・マレーシア 約17万7千人 前年比36%増
・インドネシア 約13万7千人 前年比35%増
・フィリピン 約10万9千人 前年比27%増
・ベトナム 約8万4千人 前年比53%増
2013年7月から、日本政府はタイとマレーシアの訪日ビザを免除。インドネシア・ベトナム・フィリピンに対しては、ビザの緩和を行なったこともあり、東南アジアからの観光客が急増している。
【求められる異文化理解】
こうした喜ばしいニュースを踏まえ、彼らを迎え入れる私たち日本人にも、それなりの準備が必要になってくる。
例えば、マレーシア・インドネシアは敬虔なイスラム教国。1日5回の礼拝や、食事制限(ハラル)がある。歴史の中でイスラム文化との関わりが少なかった日本は、イスラム教徒への理解がまだ十分ではない。
今求められているのは、現在進められている空港やショッピングモールに礼拝所を設置する取り組みなどを含めた、一歩踏み込んだ異文化理解だと言えるだろう。
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