【外交】オバマ大統領に代わって安倍首相が存在感を発揮した東アジアサミット 海外の評価とは NewSphere(ニュースフィア) 2013年10月15日
ASEAN加盟10ヶ国に日中韓、米露など計18ヶ国が参加した東アジアサミット(EAS)が10日、ブルネイの首都バンダルスリブガワンで開かれた。
安倍首相は、南シナ海問題は国際社会の関心事項であるとし、「すべての関係国が国際法を順守し、一方的な行動を慎むべきだ」と主張。ケリー米国務長官も同調した。
一方、中国の李首相は「当事国以外は関与すべきでない」との見解を繰り返した。
海外各紙は、オバマ米大統領不在で日本の安倍首相が注目度を高めたと報じた。
安倍首相に好意的な注目
南シナ海問題をめぐる議論で、米政府閉鎖で一連の会議を欠席したオバマ米大統領にかわり、日本の安倍首相の発言が注目を浴びた。
オーストラリア国防大学のカーライル・セイヤー名誉教授は、アベノミクスによる景気回復の兆し、東南アジア支援国としての長い実績、また米国とオーストラリアと戦略的同盟関係にあることが安倍氏の評判を高めたと語った、とウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた。
一方、日本が南シナ問題に言及するのは、米国に続く仲裁者として台頭するためと考えるのは単純だと同紙は指摘した。むしろ日本は、自国の領域である尖閣諸島(中国名、釣魚諸島)や竹島(韓国名、独島)に焦点を置いているとみている。
日本の東南アジア積極外交
安倍政権は東南アジアとの関係強化を最優先事項としており、昨年末の就任以来、安倍首相はカンボジアとラオス以外の東南アジア諸国を訪問している。日・ASEAN友好協力40周年を記念した首脳会談が日本で行われる12月半ばまでに、両国も訪問する予定だ。
甘利経済再生担当大臣は、最近の首脳会議では、安倍首相への1対1の首脳会談の要請は、過去15年間の日本のどの首相よりも多いと語った。
オーストラリアの懸念
南シナ海の行動規範に中国も同意したものの、策定に向けたスケジュールは決まっていない。しかしインドネシアのマルティ外相は9日、「行動規範の議論にもはや反対しないという点で、中国の立場は前進した」との見方を示した。
ただ、中国の李首相は「南シナ海での航行の自由はこれまでも、そしてこれからも問題にならない」とも語っている。
これはオーストラリアなどにとって最大の関心事だと豪州ABCは報じた。オーストラリアのアボット首相は「オーストラリアの貿易の60%がその海域を通る」と指摘。しかし就任1ヶ月の同首相は、「地域紛争のリスクは常にあるが、EASなどの会合がそのリスク減少に貢献している」と穏やかな姿勢をみせた。