【龍馬プロジェクトリレーコラム/若手政治家が考える「まちの課題を解決するために」】
第43回 献身的な地域共同体を作るために (2014/8/8 古賀壮志/龍馬プロジェクト全国会 関東ブロック所属)
「地方から日本を変える」を合言葉に、日本全国の国会議員や地方議員などが超党派で集まった『龍馬プロジェクト』。政治山では、龍馬プロジェクトの思いに賛同した若手議員によるリレーコラムを連載しています。「まちの課題を解決するために」の第7回は、東京都日野市議会議員で龍馬プロジェクト全国会 関東ブロック所属の古賀壮志氏による「第43回 献身的な地域共同体を作るために」をお届けします。
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求められる行政の守備範囲の見直し
近年、右肩上がりの時代は終わったとよく言われます。少子化と高齢化、重厚長大産業の成熟等に加えて、文明が発達し社会構造が複雑化したことで、政府や役所の守備範囲が広くなり過ぎた結果、特に社会保障費等にお金の掛かり過ぎる政治の限界も指摘できると思います。巨額の財政赤字に苦しんでいるのは全国の自治体共通で、その先には日本の国そのものや最近の世界経済のさまざまな混乱が横たわっています。
当然、我が日野市も例外ではなく、今後さらなる予算投下の選択と集中、絞り込みが必要になってくると予想されます。数年後には義務的経費が市税収入を上回ることもあり得ると言われている中での毎年の事業展開となっています。
このようなことを考えると、役所の守備範囲の見直しはどうしても避けて通れません。これまでは政治は何かをして差し上げることが存在価値であり、またある意味お手柄でもありました。これからの政治はまず今のシステムを見直すことから始めなくてはならず、感謝されるより恨まれることの方がよっぽど多い作業が待ち受けています。しかしだからこそやり甲斐があり、人生捧げる価値もあるとの思いで日々仕事をさせていただいています。
転換期にある経済活動のあり方そのもの
政治の土台とあり方が変化しています。今までは成長することが前提の経済の下、それに比例してお預けいただく税も増えていく中で、その税収を再分配するのが政治の大きな仕事でした。しかし現在では、頼るべき経済成長も頭打ちを迎えているため、分配と同時に、社会観と価値観に基づいた負担の分担を意識しなくてはならなくなりました。
いわゆる先進国と呼ばれる国々は、国民生活を豊かにする基本的な社会資本整備や商品の流通生産の仕組みが一定の段階に達すると、経済は低成長に転換していきます。そうなると当然税収は落ち込んでいきますが、これまでの給付型の分配は減らすことができないどころか、少子高齢化に伴う社会保障費支出は増大し、さらには景気対策と銘打った財政出動がこれに拍車を掛け、状態を悪化させかねないような状況に陥るわけです。
お金がかかり過ぎる政治と、資本主義経済の負の部分の顕在化というダブルパンチを受けて道に迷い、右往左往しているのが現代社会だと思います。現在の資本主義経済は、アメリカが自ら引き金を引くか、中国を最終ランナーとするかは解りませんが、確実に崩壊へ向かっているように感じます。
現代の経済システムとお金の掛かり過ぎる政治の反省すべき点を改める程度で済むのか、まったく新しい経済システムを作り上げなくてはならないのかという、どちらかの状況であるといえます。そう遠くない将来に、政治経済システムと国民生活を見直すべき日が訪れるのは避けがたい状況になっていると思います。
あるべき社会を目指して
戦後政治や社会を考えると、遥かなる坂の上の雲を抱いた豊かな国づくりより、分配や給付を求めることが優先される傾向に陥っていると思われます。本当なら、今はどうしようもない事情で社会的な弱者と呼ばれる立場にいる人を支えるための社会保障や、治安国防、教育、成長分野への投資等に回すための財源を確保するために、国民皆で働き国家財政を豊かにしようという国づくりの発想が先にあるべきです。
また、分配や給付が先にありきの個人主義が行き過ぎて、人間同士の絆を壊し、社会を攻撃的な雰囲気にさせ、無気力や利己主義を助長させてしまうかもしれません。日本国民がとるべき国づくりの方針は、その民族性や受け継いできた文化や伝統に照らせば、給付ありきの政治や個人主義偏重のそれではないと信じています。
私は、すべての人が持つ、世のため人のために働き献身したいという潜在意識が引き出された国家や地方自治体を作るために役割を果たしたいと思っており、それこそが日本や日本的地域共同体の本来の姿であると信じて、その手法ときっかけを探ることに集中力を捧げて参ります。
- 著者プロフィール
古賀 壮志(こが そうし)
日野市議会議員。
【1977年】日野市旭が丘生まれ。
【2002年】桐蔭横浜大学法学部法律学科卒業。都議会議員秘書。
【2006年】日野市議会議員当選(自民党公認・現在3期目)。陸上自衛隊予備自衛官。
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