【龍馬プロジェクトリレーコラム/若手政治家が考える「これが私の『志』」】
第26回 自然栽培で世界を救う (2013/10/25 松岡隼人/龍馬プロジェクト)
「地方から日本を変える」を合言葉に、日本全国の国会議員や地方議員などが超党派で集まった『龍馬プロジェクト』。政治山では、龍馬プロジェクトの思いに賛同した若手議員によるリレーコラムを連載しています。「これが私の『志』」の第3回は、熊本県人吉市議会議員で龍馬プロジェクト九州・沖縄副ブロック長の松岡隼人氏による「自然栽培で世界を救う」をお届けします。
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本年、私は同僚議員や若い仲間たちと5人で自然栽培による稲作と大豆の栽培に取り組みました。稲作は2反強の田んぼを借りて「にこまる」を栽培。大豆は1反弱を借りて栽培しました。「にこまる」はどうにか収穫までたどり着きそうですが、大豆は実が入らず大失敗に終わりました。
われわれはこれまで誰ひとりとして農業をやったことがありませんでした。農作物の栽培に取り組んだ1番の理由は、雇用の確保と所得向上の可能性を探るためです。私が暮らす人吉球磨地域は周りを山に囲まれた盆地で、平野が少なく、いわゆる中山間地域に当たります。本市も全国の大部分の同規模自治体と同様、人口減少と少子高齢化に歯止めがかからず、それに比例して地域経済もまた疲弊が進んでいます。このような状況を打破するためには、この地域で何か新しいものを創り出す以外方法はなく、新しいものを創り出すために農業に取り組みました。
一口に農業といいましても作物の種類は無数にあり、いろんな栽培方法があります。人吉市の地域農業の現状を見てみますと、農業従事者約1200人のうち65歳以上の方の割合が67.7%と高く、農業従事者の高齢化が進んでいること。耕作放棄地が90町以上と増加していること。農地が狭く少ないこと。TPP問題が取りざたされており、将来的に関税撤廃を視野に入れた時、量や金額で勝負することは厳しいことなどが挙げられます。
一方で、寒暖の差が大きく清らかな水が豊富にあることで、食味のいい作物が育つといった長所も挙げられます。このような状況をかんがみ、情報を集め、本を読みあさり、いろんな人に尋ねました。そして、たどり着いたのが自然栽培です。自然栽培とは無肥料、無農薬で農作物を栽培する農法で、地球環境にも優しく持続可能な循環型社会を構築することができます。作物は安全で食味がよく付加価値も付くことから、全国各地で少しずつ広まっています。
われわれは、まず、米と大豆の栽培に取り組んだわけですが、日本民族は稲作を営みの中心として栄えてきた国であり、稲作の中に日本思想があるといっても過言ではありません。その中心をしっかり押さえるために稲作を選択しました。すべての作業が初めてのことばかりで、することなすことが後手に回り、まったく思い通りにはいきませんでした。
しかし、米は強かった。日本人が主食として米を選んだ理由がよく分かりました。大豆は、土壌を良くするために栽培しましたが、元々は田んぼであったところに畑のものを植えることがそもそもの間違いであり、土壌にも悪いということが判明しました。また、これまでの悪いものが蓄積されているので改良するのに時間がかかるが、土地の変わりようが見えるはずであり、今後も取り組むべきだというアドバイスをいただきました。
私は自然栽培での農産物生産によって、
(1)耕作放棄地が減少する
(2)雇用の確保(特に若者の)ができる
(3)同じ面積の農地で所得の向上が見込める
(4)教育や体験をすることができる
(5)農家民宿や農家レストランをすることができる
(6)域外からの定住者や観光客が増加する
(7)健康になる
(8)ほかの産業へつながる
(9)医療費の削減ができる
(10)地域コミュニティーが維持できる
(11)歴史伝統文化を次の世代に伝えることができる
(12)日本思想を取り戻すことができる
と確信しています。
以上のことを実現させるために、自然栽培によるまちづくりを地域住民と共に進めてまいります。この取り組みをモデルケースとし日本国中へ広げ、さらには世界を救いたいと思います。
- 著者プロフィール
- 松岡隼人(まつおか はやと):1977年7月24日 熊本県人吉市生まれ。熊本大学教育学部卒業。平成19年4月人吉市議会議員に当選。平成23年4月人吉市議会議員2期目当選。
- blog:人吉市議会議員 松岡隼人のつぶやきブログ『てらブロ』
- Facebook:hayato.matsuoka.3
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