【龍馬プロジェクトリレーコラム/若手政治家が考える「日本の政治のここが問題だ!」】
第20回 民主主義の考え方と、日本への誇り (2013/8/9 出田裕重/龍馬プロジェクト研修・政策委員長)
「地方から日本を変える」を合言葉に、日本全国の国会議員や地方議員などが超党派で集まった『龍馬プロジェクト』。政治山では、龍馬プロジェクトの思いに賛同した若手議員によるリレーコラムを連載しています。「若手政治家が考える『日本の政治のここが問題だ!』」の第5回は、兵庫県南あわじ市議会議員で龍馬プロジェクト研修・政策委員長の出田裕重氏に、今の「政治」への提言をしていただきました。
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私が常々問題と思っている1つは、国民の民主主義に対する考え方です。日本人はそもそも物事を決する時に、多数決という手法をあまり採ってこなかった民族だと思っています。それなのに最近は、メディアによる世論調査の結果を見聞きしたり、地方議会や国会の採決の様子が映し出されたりして、それが影響しているかどうかは分かりませんが、国民がふとした何気ない場においても多数決で物事を決めてしまうことに慣れてしまっているように思えてならないのです。そして、その世論に振り回される政治家の多いことに辟易(へきえき)しています。
そうではなく、物事を成し遂げるには、衆知を集め、責任あるリーダーが方向性を示し、共感した者がリーダーを信じてそれぞれの役割を果たし、事業を成し遂げて行く。 例えそれらの事業が国民の半数以上の方に理解されないような状況にあったとしても、リーダーが強い意志でことを成し遂げる。そして、その結果こそが国民の半数以上に評価されることによって、国や地方自治体が次の段階へ進んで行く。これこそが、あるべき民主主義の姿だと思います。多数決ですべてが決まるのであれば政治は必要ありません。小さなことから大きなことまで、政治だけに限った話ではなく、日本民族固有の物事の決め方、進め方だと思っています。
2つ目は、何といっても自国に対する誇りです。言うまでもなく、わが国は神武天皇以来、2600年を超える歴史のタテイトをつないできた国です。こんなことを言うと同世代の友人から「お前どうした?」とよく言われるのですが、そのことこそが大きな問題だととらえています。世界の国々の歴史を見ればすぐに分かることであっても、学校ではそれを教えないし、学校の先生ですらそのことを知らない。私も恥ずかしながら、社会人となってから初めて知ったことです。今生きている老若男女はほとんどが戦後教育で育っている。教育とは、とらえ方によっては本当に恐ろしいものだと思いますし、まさに今の日本の歴史教育は、危機を危機と認識していない危機的状況であると認識しています。
これから世界はますます混沌(こんとん)とするでしょう。そのような時に日本国に対する誇りを失った人間が指導者となれば、日本という国の形は残っても、日本人の精神や国に対する誇りは必ず滅びてしまうでしょう。
以上、ごく簡単に2つ問題点を挙げさせていただきました。私は子供のころから歴史の勉強が大嫌いでした。先生のことは好きでも、授業の教え方がどうしても生理的に受け付けなかった。しかしながら、これらは学校教育だけでなく、1人ひとりの大人が先祖を敬い、家族を大切にし、子や孫に伝えることによってしか変えていくことができないと思っています。今は地方政治の場に立たせていただいている身として、少しでもこのことを伝えていきたい、そんな思いで日々活動を続けています。
- 著者プロフィール
- 出田 裕重(いでた・ひろしげ):1975年10月6日、兵庫県南あわじ市生まれ。大学卒業後、愛知県の機械メーカーに入社。全国出張の仕事を通じて、故郷を良くしたいと強く思うようになり、帰郷。その後、まちづくり活動と言えるようなものには何でも首を突っ込み、2005年の市議会議員選挙に出馬し当選。2009年、林英臣氏にご縁をいただき、日本を救わなければならないと奮起し現在2期目。龍馬プロジェクト全国会/研修・政策委員長。
WEBサイト:出田ひろしげの「南あわじ市議会」
ブログ:いでひろ日記
Facebook:idehiro
Twitter:idehiro
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